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景表法検討会 委員は何を語ったか(前)  「自己決定の確保が難しくなった」

 消費者庁が今月16日にオンライン開催した「景品表示法検討会」の第1回。初回ということもあり、各委員が1人ずつ発言を行った。座長を含め計8人の委員の発言内容を複数回に分けて伝える。

<大屋雄裕委員=慶應義塾大学法学部教授

 「専門は法哲学。インターネットの発展が法や政治のシステムにどのような影響を及ぼすかを研究対象とし、自己決定の環境が近年になって大きく変化していることを強調してきた。消費者法は消費者の自己決定の確保が目的だが、現実問題としてそれが厳しくなっている。特に、ダークパターンが注目されているが、インターネット上では我々の認識や決定を誘導する技術がさまざまなかたちで使われるようになっている。それに対応するために我々として何が可能か。

 今回の検討会で重要なことは、景表法の対象は商品やサービスの供給主体が行う表示があるところ、その環境自体が大きく変化していること。近年、アフィリエイト広告、ステルスマーケティングあるいはサクラレビューといったものが増えている。そうしたことを念頭に置いて景表法をどう考えていくか。あるいは、プラットフォーマーの対応、責任を考えていく必要があるのではないか。そうといったところが注目されるポイントだと個人的には考えている」。

<小畑良晴委員=(一社)日本経済団体連合会経済基盤本部長

 「事業者サイドは私ひとり。事業者の声を伝えたい。そもそも企業活動は消費者から信頼されないと成り立たない。従って、企業各社は普通、自らの商品・サービスについての適正な表示を確実に行えるように取り組んでいる。

 今回の検討会は、景表法を見直す必要性も含めて検討するということだが、故意に消費者を混乱させるような不当な表示を行うことについては、厳格かつ迅速な対処をしていくという方向に全く異論はない。一方で、景表法の対象には、悪質な業者だけでなく、過失によって不当な表示になってしまったという場合も含まれる。改めるべきところは改める必要がある。だが、法律の立て付けによって企業の実務に委縮効果を与えることは、経済成長の観点から望ましいとは言えない。今回の検討にあたっては、法改正を何がなんでもするというのではなく、どういう目的のために、何をするのが政策として適切なのかを十分に検討することが必要だと思う」

(つづく)

冒頭の画像:検討会に臨む消費者庁関係者ら

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