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日本の健康・栄養政策は35年遅れ 機能性表示食品制度はどう変わるのか~GNG・武田社長に聞く

 機能性表示食品制度の見直しが進む中、関係者の間では「小手先の改革」という指摘も。原材料の品質保証、GMP(適正製造規範)の実効性、サプリメント法(仮)の可能性、海外の制度との違いなどについて、海外事情に詳しい㈱グローバルニュートリショングループ(GNG)の武田猛社長に話を聞いた。同氏は18年間に及ぶ実務も含め、38年間にわたり健康産業ビジネスに関わってきた経験豊富なコンサルタント。(聞き手・文:田代 宏)

原材の受入れはより厳しく

――小林製薬「紅麹サプリ」事件が起きる前、機能性表示食品制度をどのように評価してましたか?

武田  問題が起きる前までは、届出後の情報は全て公表されてますので、透明性の高い制度という点で評価してきました。それを誰もが見られるので、メディアからもアカデミアからも批判が出てきますので、そういう意味で健全に機能していたと思います。
 また、研究開発への投資が促進されてイノベーションも起きやすくなっていました。広告表現に少し問題を残しますが、ヘルスクレームができることによって消費者も商品選定しやすくなったと思います。

――GMP(適正製造規範)の義務化など政府が示した機能性表示食品制度の見直し策を評価しますか。

武田 これまでもカプセル・錠剤については、おそらく受託製造会社のトップテンの企業が全てGMP認証機関である(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA)か(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS)の認定を受けていると思います。ですから特に最終製品のGMPにおいて変わるということはないと思いますが、原材料の受け入れという観点は今後、すごく厳しくなるではないでしょうか。
 原材料のGMP制度がありますから、それを求める受託製造会社とか、ブランドオーナーが出てくる可能性はあると思います。原料会社がやるやらないというよりも、届出者の方から「やってほしい」というニーズが高まる可能性がありますね。

――届出の表示責任者が受託製造工場にも、きちんとした原料を入れろという指示を出す。結局は届出者の責任で原材料の同質性を確認しなければならないという建付けになっています。

武田 そうでうすね。おそらく受託メーカーが一番困るのは支給原料ですね。ブランドオーナーが支給してくる原料。そして今回まさにそこが問題になったのだと思いますけれども、受託工場は受け入れざるを得ない。

――例えば、安価な原料を海外から大量に入れるケースはかえって大手の方が多いのではないか。今後、そういう大手に対してどういう縛りがかかってくるのか。もしそうだとしたら、今後、そこにしっかりした規制がかけられていくことになるのか。

武田 規制はかからないでしょうね。例えば具体的なお話しですけど、某通販会社のある原料などは、受託メーカー1社では歯が立たないほど大量に輸入しています。それを支給して作ってくださいという話です。受託メーカーもボリュームが大きいから無碍にはできない。そこの責任の分担をどうするかというのは、ブランドオーナーと受託製造会社との間の話し合いだと思います。

――品質保証は(原料を支給した)ブランドオーナーの責任ということですね。

武田 今回の紅麹サプリの問題も小林製薬さんの責任ということではないでしょうか。

――ただし、それらの原料の品質が果たしてきちんと担保されているのかどうか、厳密に言うと、第三者でなければチェックできないみたいなところはありませんか。

武田 できないですよね。

――そこはやむなしということですか……

(この続きは会員のみお読みいただけます。残り約3,439文字。続きは「会員ページ」の「月刊誌閲覧」内「Wellness Monthly Report」2024年8月号(74号)の特集「続・機能性表示制度とサプリの行方」から)

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