1. HOME
  2. 機能性表示食品
  3. 日弁連、機能性表示制度の見直し要求 消費者庁長官らに意見書提出、健康危害情報の公表義務化など求める

日弁連、機能性表示制度の見直し要求 消費者庁長官らに意見書提出、健康危害情報の公表義務化など求める

 日本弁護士連合会(日弁連)が機能性表示食品の表示規制や制度のあり方を強く疑問視している。今月、改善を求める意見書を作成し、消費者および食品安全担当大臣と消費者庁長官に提出。表示・広告規制の運用や、安全性・機能性の科学的根拠を確保するための制度運用が「不十分」だとして、改善や見直しを求めた。健康危害情報の公表義務化を要求するなど、機能性表示食品制度に対して厳しい視線を注いでいる。

 日弁連によると、意見書を消費者庁長官らに提出したのは今月19日付。改善や見直しを求めたのは大きく3点で、以下のとおり。

1.安全性や機能性について消費者庁に届出した内容を超えてなされるなど、届出の範囲を逸脱した表示・広告及び届け出た機能性の内容を誤認させる表示・広告に対しては、行政指導等ではなく、積極的に景品表示法による措置命令を出し、消費者に対してその情報を公開すべきである。

2.機能性表示食品の安全性や機能性の科学的根拠を確保するため、事業者に対して消費者に対する健康被害情報の公表を食品表示法上に義務付けるとともに、消費者庁が事後的な監視・監督を行った結果についても消費者の商品選択に必要かつ十分な内容が開示されるようにすべきである。

3.機能性表示食品を含むすべての食品につき、不適切な表示があるとして消費者から食品表示法上の申出があった場合は、申出人に対する調査等の結果に関する通知を、申出を受けた内閣総理大臣等に法的に義務付け、または必ず通知を行う運用に改めることにより、消費者に対して十分な情報が開示されるべきである。

 意見書は、A4用紙で全8ページのボリューム。日弁連の機能性表示食品制度に対する問題意識は、消費者に対して必要十分な情報開示がなされていないことにあるようだ。日弁連は意見書で、「不当表示や機能性の科学的根拠が十分に検証されない商品も散見されている」としつつ、次のように指摘した。

 「国は、事後的な検証事業、買上調査、行政指導等による事後的監督によって制度の公正性を担保しようとしているが、その運用実態や結果の公表が不十分で透明性に欠けるため、消費者に商品選択のために必要かつ十分な情報が開示されず、消費者が自ら情報を得て商品選択をするという消費者主体の制度になっていない」

 日弁連は、機能性表示食品制度が施行された2015年にも、同制度に対する意見を表明していた。この時は、事業者に対し、安全性や品質確保のほか危害情報公表に対する体制整備を義務付けること、機能性表示食品の対象から生鮮食品を外すこと、届出制ではなく登録制度とし、安全性や機能性に関する要件を満たさないことが発覚した場合には国が登録を取り消せるようにすることなど、抜本的な見直しを求めていた。

【石川太郎】

(冒頭の写真:日弁連が公表した意見書の1ページ目)

関連資料:「機能性表示食品の表示規制や制度の在り方についての意見書」(日弁連サイト)
関連記事:高裁、消費者庁に情報の追加開示命じる 事後検証事業の報告書めぐる控訴審判決

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ