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新規関与成分の公開が相次ぐ 【機能性表示食品届出更新】一方で取り下げも増加傾向に

 消費者庁は24日、機能性表示食品の届出情報公開データベースを更新し、届出番号I282からI306まで25件(サプリメント16件、サプリメント以外の加工食品9件)の新規届を公開した。

 麹由来グルコシルセラミドなど、新規の機能性関与成分の届出が複数含まれる。一方、同庁は同時に届出の取り下げ情報も更新。今月14日から20日にかけて、計11件の取り下げがあった。

麹由来グルコシルセラミド、HYAなどが新たに

 新規関与成分の麹由来グルコシルセラミドを届け出たのは、清酒「八海山」で知られる八海醸造㈱(新潟県南魚沼市)。米麹を原材料にした甘酒を届け出たもので、麹菌Aspergillus oryzae HJ1株も関与成分とする。これも新規の関与成分。HJ株による便通改善機能、グルコシルセラミドによる肌の潤いを守る機能をそれぞれ表示する。科学的根拠は最終商品の臨床試験。

 新規の関与成分としては他に、HYA(10-ヒドロキシ-シス-12-オクタデセン酸)の届出が公開された。必須脂肪酸のリノール酸を、乳酸菌などの腸内細菌が代謝することに生成される成分。「機能性脂肪酸」とも呼ばれる。油脂を含む食品や発酵食品などに含まれるとされる。

 HYAは、日東薬品工業ホールディングス㈱のグループ会社、Noster㈱(京都府向日市)が届け出た。届出表示は、「肥満気味の方の内臓脂肪(おなかの脂肪)を減らす機能があります。また、HYAには、食後の血糖値の上昇を抑制する機能が報告されています」。最終商品の臨床試験と研究レビュー(SR)をそれぞれ科学的根拠とするダブルヘルスクレームを行う。

11件が取り下げ、措置命令の余波か

 一方、更新された取り下げ情報を見ると、先の措置命令の余波が広がっていることがうかがわれる。11件のうち3件がオリーブ由来ヒドロキシチロソール、同4件がDHA・EPAを関与成分とするものだった。

 ヒドロキシチロソールに関しては、ゼリアヘルスウェイ㈱(東京都中央区)、薬糧開発㈱(横浜市西区)が取り下げた。薬糧開発は2件を取り下げ。また、DHA・EPAでは、銀座ステファニー化粧品㈱(東京都港区)、キューサイ㈱(福岡市中央区)、寿本舗㈱(横浜市都筑区)、シャルーヌ化粧品㈱(東京都世田谷区)が取り下げた。

 消費者庁は、措置命令の対象商品と同一関与成分かつ科学的根拠を同じとする届出88件(DHA・EPA=31件、モノグルコシルヘスペリジン=14件、オリーブ由来ヒドロキシチロソール=47件)に対して、食品表示法に基づき、科学的根拠に関する疑義を指摘。今月18日までに回答するよう届出者に求めていた。

 他方で、それとは無関係の取り下げも増えている。アサヒグループ食品㈱(東京都墨田区)が「販売終了」を理由にクレアチンモノハイドレートを関与成分にしたサプリメントの届出を取り下げたほか、日本ケフィア㈱(神奈川県藤沢市)が「販売見込みがない」として赤パプリカ由来キサントフィルを配合したサプリメントを取り下げた。

 また、㈱やずや(福岡市南区)が「現在販売を終了し、賞味期限を経過した」としてアスタキサンチンとパイナップル由来グルコシルセラミドを関与成分にしたサプリメントの届出を取り下げたほか、八幡物産㈱(鳥取県米子市)が製品化中止を理由にイチョウ葉由来成分を配合したサプリメントの届出を取り下げている。

【石川太郎】

○2023年7月の機能性表示食品届出DB更新
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