新型コロナウイルスに便乗?ビタミンC・D、アオサ、乳酸菌などでデマ情報
<「免疫力向上」に着目した便乗商法>
(国研)医薬基盤・健康・栄養研究所は2月28日、ビタミンCやビタミンDが新型コロナウイルスに対して効果があるように宣伝されていることについて、改めて注意喚起を行った。そうした効果は確認されていないという。新型コロナウイルスに対しては、手洗い・うがいなどの正しい予防を心掛けるように呼びかけている。
また、(株)ウェルネスニュースグループの取材で、乳酸菌業界に対し、新型コロナウイルス対応に関する問い合わせが寄せられていることがわかった。乳酸菌業界では「免疫力向上」、「インフルエンザ予防」を標ぼうしたテレビCMやネット広告により、一般消費者への効能効果の刷り込みを図っている。それに絡ませて、新型コロナウイルスの流行をビジネスチャンスと捉えた悪質業者が、便乗商法を模索しているとみられる。
しかし、これまでのところ、乳酸菌による免疫力向上やインフルエンザ予防に関する信頼できる十分な科学的データは整備されていない。そうした機能性をうたった特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品も1件もない。
<便乗した広告は薬機法に抵触>
アオサが新型コロナウイルスに有効というデマ情報も流れた。これは大学機関の研究発表が火種。発表の仕方が誤解を生んだと言われている。アオサには多糖類の1種であるラムナン硫酸が含まれ、同成分を配合したサプリメントも売られている。しかし、新型コロナウイルスに対するアオサの効果は確認されていない。
また、(公社)日本広告審査機構(JARO)はこのほど、加工食品の広告で新型コロナウイルス対応を標ぼうすると、法違反になる可能性があると警鐘を鳴らした。
新型コロナウイルスの流行で「免疫力向上」が注目されているが、「免疫力アップ」などの身体の構造機能に影響を及ぼす旨を標ぼうすると、医薬品医療機器等報に抵触する恐れがあると指摘。「新型コロナウイルス対策に」や「インフルエンザ予防に」などの表示も、同法に抵触する恐れがあると説明している。
JAROでは、新型コロナウイルスの流行により、類似の広告・表示が出回る可能性があるとしている。