新刊『フェイクを見抜く』 ニセ情報、誤報道、デマの読み解き方
小林製薬㈱(大阪市中央区)の紅麹原料を配合した機能性表示食品の回収が進む中、取引先の企業の反応をまとめた読売新聞社の記事に捏造された談話があったことが発覚した。
紅麹問題では他にも、小林製薬が供給する原料ではなく、健康被害の疑いがないベニコウジ色素を使用した商品について、SNSを通じて誤情報やニセ動画が拡散、無関係な事業者に対する風評被害が問題視されている。
このようなフェイクニュースがどうやって作られているのか、また、どうやればフェイクを見抜くことができるのか。このほど、『フェイクを見抜く~危険情報の読み解き方』と題する著書が刊行された。著者は、小林製薬問題でお茶の間ではお馴染みとなった東京大学名誉教授・食の信頼向上をめざす会代表の唐木英明氏と、元毎日新聞記者で食品安全情報ネットワーク(FSIN)共同代表の小島正美氏。
同書では、従来のフェイクニュースにどのようなものがありどのような作り方がされているか、具体的な事例を順に挙げながらニュースの読み解き方、そして科学的なものの見方を解説する。
【目 次】
第1章 フェイクニュースを作り出す方法
第2章 食のリスクをめぐるフェイクニュース
無農薬、無添加、オーガニック
第3章 一つの論文が世界に与えた衝撃
遺伝子組換え作物
第4章 フェイクニュース・ビジネスで大儲け
除草剤グリホサート
第5章 メディアが好む危ない情報にどう対処するか
ネオニコチノイド系殺虫剤
第6章 記者のバイアスがニュースのバイアスを作る
BSE、中国産食品、新型コロナ、子宮頸がんワクチン
第7章 進むメディアの分断、記者はどこまで自由か
ゲノム編集食品、原発処理水
終 章 フェイクを見抜くために
【体 裁】
発行:㈱ウェッジ
判型:四六判
頁数:301頁
定価:1,900円(税別)
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【著者プロフィール(著書より引用)】
唐木 英明
農学博士、獣医師。1964年東京大学農学部獣医学科卒業。同大助手、助教授、テキサス大学ダラストーブ総合センター長併任、2003年名誉教授。倉敷芸術科学大学学長、日本学術会議副会長、(公財)食の安全・安心財団理事長などを歴任。日本農学賞、瑞宝中綬章などを受賞。専門は薬理学、毒性学、食品安全。
小島 正美
1951年愛知県犬山市生まれ。愛知県立大学卒業後、毎日新聞社入社。松本支局を経て、東京本社生活報道部で食・健康・医療・環境問題を担当。2018年退職。東京理科大学元非常勤講師。「食生活ジャーナリストの会」前代表。現在、「食品安全情報ネットワーク」共同代表。著書として『海と魚たちの警告』(北斗出版)、『メディア・バイアスの正体を明かす』(エネルギーフォーラム)など多数。