文藝春秋と鈴木東大教授の反応は? FSINの指摘から早2カ月経過
食品安全情報ネットワーク(FSIN)(唐木英明・小島正美共同代表)が、文藝春秋2月号「目覚めよ!日本 101の提言」に掲載された鈴木宣弘氏(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)の寄稿文「遺伝子組み換え食品の恐怖」の内容について訂正要望を出してから、約2カ月が経過した。その後、「文藝春秋」3月号・4月号と発売されたが、いずれも訂正文の掲載はなかった。
その詳細は既報のとおり。
5月号でも訂正は確認できず
10日、文藝春秋5月号が発売された。4月号に引き続き、今号でも訂正文は掲載されなかった。ウェルネスデイリー編集部では、改めて文藝春秋編集部に問い合わせたが、今回も、担当者不在を理由に連絡が取れていない。
鈴木教授「訂正要望は見ていない」
15日、食の安全・監視市民委員会(佐野真理子、山浦康明共同代表)が開催した「総会記念講演会『私たちの食が危ない!~自給率を高めるために~』」に、講師として鈴木教授が登壇。資料を交えて90分の講演を行った。
講演の中で教授が、ゲノム編集トマトを障害児施設に無償配布したと言及したことについて、「このことは鈴木先生が文藝春秋2月号に執筆されており、食品安全情報ネットワーク(FSIN)から文藝春秋編集部に訂正の依頼が行われていると聞いている。先生のご見解をお聞かせください」との質問が行われた。
それに対して鈴木氏は、「2月号に短い記事で、そういうふうな安全性の遺伝子組み換えとかゲノム編集についての記事が出された時に、私自身はその訂正依頼について見ていないので、今ここでそれに対して私が解説することができない。以前よりいろんな立場があって、こういうふうなことを書いた時には、正確を期すということで、いろんなご批判の記事もいただいているのを承知している。今回、この件については、訂正依頼の内容そのものを、私は把握していないのでここでお答えすることが不可能。すみません、後で見ておきます」と、雄弁な講演とは裏腹に、途切れ途切れの歯切れの悪い回答となった。
司会の天笠氏は、自身もかつて、ゲノム編集食品の問題で週刊女性で叩かれたことがあると告白、「やっぱり論陣を張られる方に対する攻撃ってすごい。皆さんが周りから守っていかなきゃいけないなというふうに思う」とフォローした。
【藤田 勇一】
(冒頭の写真:文藝春秋2月号に掲載された鈴木教授の記事)