排尿ケア機能表示、ザクロ由来成分で 【機能性表示食品届出更新】プニカラジン、小林製薬が届出
女性を対象に排尿ケア機能を訴求するQOL向上関連の機能性表示食品について、消費者庁は9日、新たな届出を公開した。ザクロの抽出物に含まれるポリフェノールの一種、プニカラジンを機能性関与成分とするもので、排尿に関わる煩わしさを和らげる機能があるとしている。小林製薬㈱(大阪市中央区)が届け出た。
ザクロ由来プニカラジンの届出公開は今回が初めて。小林製薬では、同成分の研究レビュー報告を科学的根拠に、「トイレが近いと感じている女性の日常生活におけるトイレ(排尿)に行こうとするわずらわしさをやわらげる機能がある」旨のヘルスクレームを届け出た。サプリメントを届け出たもので、『フェミエイド』を商品名にする。
排尿ケア機能を訴求する機能性表示食品の届出はこれで3件になった。機能性関与成分としてはこれまでに、クランベリーに含まれるキナ酸、ノコギリヤシエキスの2つについて、同庁が届出を公開していた。
新たに届け出されたザクロ由来プニカラジンも含めてヘルスクレームは似通る。いずれも排尿に行く煩わしさを和らげる機能を訴求。また、女性が対象であるのも共通する。これまでのところ同庁は、加齢による前立腺肥大などで排尿に関わるQOLが低下することがある中高年男性向けに、排尿ケア機能を訴求しようとする届出を公開していない。関係者は、「女性に限定しているわけではない」と話している。
取り下げ理由に「totality of evidenceの考え方」
消費者庁は同日、機能性表示食品の届出情報公開データベースの更新を行い、届出番号I423から同439まで計17件(サプリメント14件、サプリ以外の加工食品3件、生鮮食品ゼロ件)の新規届出を公開した。
また、既存届の取り下げに関する情報も更新した。それによると、新たに取り下げられたのは6件(同日午後5時現在)。今月3日から4日までの間に撤回届が出されたもので、関与成分としてオリーブ由来ヒドロキシチロソールを届け出ていたものも含む。同成分に関連して届出を取り下げた㈱グランデ(福岡市中央区)は取り下げ理由について、「totality of evidenceの考え方が、必ずしも貴庁の考え方に沿ったものではないと認識するに至った」と説明。totality of evidenceの判断が適切かどうかの確認と回答を求める消費者庁に対するメッセージとも読める。
このほか、㈱ピーチ・ジョン(東京都港区)がエラグ酸などを配合したサプリメントの届出を取り下げた。昨年1月に販売を終了、かつ、今後販売する予定もないという。また、ハウスウェルネスフーズ㈱(兵庫県伊丹市)が販売中止を理由に、ビサクロンやクルクミンなどを関与成分とするサプリメントの届出を取り下げた。DHA・EPAも配合して、中性脂肪低下機能を訴求するものだった。DHA・EPAの1日当たり摂取目安量は計133mg。ただ、この届出は、消費者庁が公開中の「回答状況一覧」に含まれていない。
ほかに、分析方法の変更を目的とする取り下げもみられた。岩瀬コスファ㈱(大阪市中央区)がそれを理由に、チャカサポニンを機能性関与成分とする届出3件を取り下げる。分析法を変えることで、関与成分の規格値も変わるため、いったん取り下げるという。
【石川太郎】
〇2023年8月の機能性表示食品届出DB更新
:【2日付】女性の健康で新たなヘルスクレーム 月経前の「晴れない気分」など軽減
:【3日付】2日連続で更新、新規届出19件公開
:【8日付】措置命令の余波、取り下げがまた ヒドロキシチロソールなどで3社が判断