山笠太郎の健康管理とほほ日記 ~不摂生な私が25年もスポーツクラブに通える理由~(7)
本連載のキーマン、「黒丸社長」の実像
黒丸社長は浪速スポーツクラブのヘビーユーザーだ。
見た目「夜のクラブ活動」で睨みをきかしている風であるが、ぶっちゃけ下戸で、アフターファイブは浪速スポーツクラブ中心だ。トレーニングの合間、若い女性スタッフにひと言二言冗談を噛まし「キャッキャ、キャッキャ」言わして楽しんでもいた。
そもそも時間の融通が利く中小企業のオーナーだ、暇さえあれば昼頃からエアロバイクをこぎに来ていた。
そもそも小生が大阪赴任直後、初対面時の黒丸社長の印象は・・・と言うと、ブルドックのようなおっかない赤ら顔の顔立ちと、少し高音だがドスの効いたダミ声。阪神百貨店で仕立てたというダブルの派手目なストライプのスーツを着こなし、まさにその佇まいは真っ直ぐそっち系。絶対関わりを持ちたくない関西の怖いお方・・・強烈な印象であった。
そんな日頃の強烈なイメージとは裏腹に、浪速スポーツクラブでの上下白の半袖、短パンのトレーニングウエア姿の黒丸社長が意外にお茶目な感じに見えて意表を突かれた(苦笑)
ところで、下戸の黒丸社長の代わりに黒丸商店における接待担当・・・夜のクラブ活動係は側近で営業全般を取り仕切る新山営業本部長が専ら担っていた。勿論昼間の仕事の方も(笑)バッチリだ。その陰で遊びたい盛りの営業課長ナベちゃんがコソコソ悪さを働いていた(苦笑)
夜のおねーちゃんが大好物でブイブイいわしていたナベちゃん。黒丸社長の前では借りてきた猫のようにおとなしくしていて笑えた。
そんな部下に任せて安心?な黒丸社長は愛車のベンツで浪速スポーツクラブに熱心に来館していたのだった。
「山笠はん、あのベンツな、○×スーパーの社長から拝むように頼まれてな・・・○×スーパーの社長直々に頼まれたら買わなしゃーないやろ・・・往生しまっせホンマ」と小生にボヤく事しきりであった。
小生「ベンツが食品スーパーの売り上げの貢献って・・・どーゆー事?」と困惑したものであったが、大阪マーケットにドップリ浸かるにつけ、何でも有りな大阪商人ならさもありなんと妙に納得したのに時間は掛からなかった(苦笑)ある意味よき時代であった。
エアロバイクを日々こぐ浪速のフィクサー
食品業界に限らず顔の広い黒丸社長には「ご相談」に来られる御仁も多く「浪速スポーツクラブに行けば黒丸社長に確実に会える」との都市伝説?が広まり(苦笑)週に1~2回、誰かしら、浪速スポーツクラブへ黒丸社長詣でに来館していた・・・
そこは大阪商人?の黒丸社長、浪速スポーツクラブへ相談に来る客人には浪速スポーツクラブの会員になるか入場料を払ってトレーニングもしないと相談には乗らないという「暗黙の掟」が定められていたのであった。
そんな訳で相談に来た方々は黒丸社長のエアロバイクでのトレーニングが終わるのをモジモジとストレッチスペースで屈伸運動をしつつ、ひたすら待つのであった(笑)
下戸な黒丸社長の密談場所は「クリームソーダかチョコレートパフェに決まってるさかいな」との事なのでどうやらミナミ界隈の喫茶店かファミレス辺りであろうと推察された(笑)
黒丸社長の取り巻きで唯一真面目に浪速スポーツクラブに通っていた高山さんは畜産業の社長さんとの事で、ご挨拶の際「黒丸社長から伺っておりますよ、山笠さんの会社とボクんところは関係ありそうでないようですから、まぁ気軽に行きましょうね、ヨロシク」とコメディアン兼俳優の伊東四朗を童顔にして目をくりっとさせた柔らかい顔立ちで微笑むのだが、こやつ黒丸社長に妙に食い込んでやがるな・・・的に「その眼は笑ってない」のを見逃さない太郎ちゃんであった(苦笑)
(つづく)
<プロフィール>山笠太郎(やまがさ たろう)
三無主義全盛の中、怠惰な学生生活を5年間過ごした後、運良く大手食品メーカーに潜り込む。健康食品事業部に配属され、バブル期を挟み10年。その間に健康食品業界で培った山笠ワールドと言われる独自の世界観を確立。その後社内では様々な部門を渡り歩き47都道府県全ての地に足を踏み入れる事となる。
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