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小規模ながら20年も続く理由とは 健康食品など企画・OEMのオルティック、印藤晴子社長に聞く

 福岡市中央区に拠点を置く、2006年創業の健康食品OEM企業オルティック㈱。グループ会社には、1992年創業の健康食品通販企業がある。小規模ながらも長く続けられる理由は何だろうか。グループ会社も含めて会社を率いる印藤晴子社長(=写真)に話を聞いた。

──昨年も取材させてもらいました。その後調子はいかがですか。

印藤 海外から輸入したプラントベースフードを使った健康志向食品のOEMや原材料販売に力を入れていくというお話をしましたね。素材としては、植物由来のプロテインとオメガ3系オイルの2つの名前を挙げました。

 その後、植物由来プロテインについては諸事情あり、取り扱いをいったん見合わせることにしました。最終的に、製造元が日本のレギュレーションに合わせることが出来なかったのです。ですがオメガ3系オイルはしっかり取り扱っていて、採用実績を作ることもできています。

 アブラナ科植物の種子から得られる健康オイルです。オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)だけでなく、オメガ6やオメガ9も含まれるとても良い素材。オメガ9としては、植物では珍しいのですが、イコセン酸が豊富に含まれています。まだまだ認知度の低い素材ですが、少しずつでも採用実績を広げていきたいと思っています。

──今、海外からの引き合いはどんな状況ですか。

印藤 NMNのサプリメントをOEMで出していた中国は昨夏以降、ぴたっと止まってしまいました。でも、今年に入り、東南アジアからの引き合いが増えています。とりわけベトナムです。健康だけでなく美容のニーズがすごく強い。まずはコラーゲン(ペプチド)を配合した美容食品や美容ドリンクのOEMが決まりました。他に、美容マスクなどのスキンケア商材や、シャンプーなどのヘアケア商材も予定されています。

 東南アジアは、10年程前でしょうか、市場開拓に力を入れたことがありました。現地に何度も行きました。でも、その時は上手くいきませんでした。ですから、ようやく日の目を見ることができたと喜んでいます。

 そうした状況ですから、今年は、主にベトナムなど東南アジア市場に向けた、美容食品をはじめとする美容商材のOEM拡大に力を入れています。最近になって。インドからも美容系商材の引き合いが舞い込んでいます。日本のお客様にも提案していますし、お客様のご依頼の素早く応えられるようにするため、製品ラインアップを順次増やしているところです。

──この1年で業績の変化は。

印藤 もちろん、大きく伸びるようなことはないです。会社もこの規模ですからね。ですが、おかげ様で既存のお客様からの受注は安定していますし、新規のお客様からの引き合いが絶えません。営業はどうしているのか、ですか? 当社の営業マンはインターネットのリスティング広告です(笑)

 当社のように工場を所有しないOEM会社は、小回りを利かせないと勝ち残れません。お問い合わせへの返信なども含め、対応スピードも大切です。その中で、小ロット、短納期でオリジナル商品を販売したい、というお客様もまだまだ多いですから、そうしたご要望にお応えしています。もちろん、当社の規模でやれる範囲で、ということになりますが。

──グループ会社の健康食品通販会社の調子はいかがですか。

印藤 今回の機能性表示食品に関する報道の影響は、幸いにもほとんどありませんでした。当社の顧問でもあるドクター(医師)にお客様が健康相談などを出来るサービスを無償で行っていますから、そこに安心・安全を感じて下さっているのかもしれません。設立から10年ほど経ってから通販を始めましたから、もう20年以上続いていますね。長く続けられる秘訣ですか? それは自分でも良く分かりませんが、オルティックも含め、お客様に助けられているのだと思います。

──ありがとうございました。

【聞き手・文:石川太郎 取材日:2024年5月13日、オルティック本社】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡県福岡市中央区天神2-8-41 福岡朝日会館11階
TEL:092-737-2128
URL:https://www.ortic.co.jp/
事業内容:OEMでの健康食品企画・販売

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