小林製薬、損害賠償求められる 国内男性、PL法上の欠陥など主張か
小林製薬「紅麹サプリ」健康被害問題をめぐり、小林製薬㈱(大阪市中央区)が損害賠償請求訴訟を提起されたなどとするNHKなど各メディアのきょう5日午前の報道について、同社は取材に「訴訟を提起されたのは事実」と認めた。一連の健康被害問題で訴えを起されたのは今回が初めて。同社は、「健康被害にあわれたお客様に対しては、訴えを起こしたか否かを問わず、誠実かつ適切な補償を行っていく」とコメントした。
各報道を総合すると、損害賠償を求める訴えを起こしたのは大阪在住の40代男性。男性は今年1月、小林製薬の『紅麹コレステヘルプ』を通販で購入して摂取を開始。その後、同製品をめぐる健康被害を報道で知り、5月に医療機関を受診。薬剤性急性腎障害と診断された。
そして7月、小林製薬が販売した『紅麹コレステヘルプ』には製造物責任(PL)法上の欠陥があったなどとして、同社に対して約500万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に提起。健康被害の公表が遅れたことも問題にしており、最初の症例が同社に報告された1月中旬に公表されていれば摂取していなかった可能性が高かった、などとも主張しているとされる。同社が公表したのは3月下旬だった。
厚生労働省などによる健康被害の原因究明調査は現在も続いており、同製品と健康被害の因果関係は明らかになっていない。大阪地裁の判断が注目される。