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女性の一時的な精神的疲労感軽減機能 【新規の機能性関与成分を探して】タキシフォリン、DHQが届出

 カラマツ木部に含まれるフラボノイドの1つとして知られる「タキシフォリン」。原料の輸入・販売とタキシフォリンを使用した商品開発を手掛けるDHQによる機能性表示食品の届出が公開され、約1年が経過した。今年5月に新たな機能性が追加されたこともあり、問い合わせ、採用件数が大きく伸びているという。

ロシア人研究者によってその抽出法が確立

 タキシフォリンは、酷寒の地シベリアの永久凍土に生きる樹木「カラマツ」の木部及び形成層から抽出・精製される成分。シベリアの先住民族は、カラマツの皮を剥ぎ、木部を削り、サワーミルクと混ぜて煮出したスープを飲んでいたことが記録されている。
 タキシフォリンは、ロシア人博士のN.A.チュカフキナ氏によって、その抽出法が開発された。同氏は、フラボノイド分野での先駆的な基礎研究の創始者。ソ連科学アカデミー・シベリア支部のイルクーツク有機化学研究所の天然化合物実験室長として、カラマツやその他の樹木に含まれるフェノール化合物の研究に重点的に取り組んだ。独自の方法を用いて60種類以上の天然フェノール化合物を分離。その中の1つがタキシフォリン。
 1977年、同氏は、カラマツの木部から抽出したタキシフォリンを機能性食品として利用するための研究を開始。その後、ロシアを代表する多くの研究者との共同研究で、タキシフォリンの安全性(毒性試験)、サプリメント利用の研究が重ねられ、機能性食品素材、食品の品質向上剤として広く使用されるようになったという歴史がある。
 
新たな認知機能訴求素材、差別化商材として注目
 
 タキシフォリンを機能性関与成分とした機能性表示食品の届出を行ったのは、タキシフォリン原料「ラビトール®」の輸入・販売、タキシフォリンを使用した商品開発を手掛ける㈱DHQ(埼玉県さいたま市、吉岡禎三社長)。消費者庁の機能性表示食品届出DBによると、最初の届出はサプリメント『タキシフォリンN』(届出番号:I1240)で、届出日は2024年2月5日。機能性表示は「タキシフォリンには健康な中高年の加齢によって低下する認知機能の一部である視覚的記憶力(図形等を認識し記憶し、それを後から呼び起こす力)の維持に役立つ機能があることが報告されています」。機能性は機能性関与成分に関する研究レビューで評価。
 適格基準を設定しPubMed、医中誌WEBによって文献検索を実施。健康な中高年の男女を対象としたヒト試験論文を調査した。その結果、適格基準に合致したRCTで研究された採用論文1報を抽出。物忘れを自覚しているもしくは指摘されたこととある健康な中高年の男女が、対照群と比較して1日あたりの摂取目安量97.2mgのタキシフォリンを摂取することで、健康な中高年の加齢に伴う認知機能の一部である視覚記憶力(図形等を認識し記憶し、それを後から呼び起こす力)の維持すること、一時的に落ち込んだ気分を前向きにすることが示されたという。

女性を意識した商品へ、雑誌社、通販会社から注目

 25年3月25日、㈱DHQによるタキシフォリンを機能性関与成分としたサプリメント『シャキッとタキシフォリンケア』(I1404)の届出が行われた。機能性表示は「タキシフォリンには女性の注意力や思考力などを使う作業の繰り返しによる一時的な精神的疲労感を軽減することに役立つ機能があることが報告されています」。
 適格基準に合致したRCTで研究された採用論文2報を抽出。その採用論文を用いて研究レビューを実施した。採用論文2報において、健常な成人女性が、プラセボ食品の摂取と比較して1日あたりの摂取目安量108mgのタキシフォリンを摂取することで、繰り返し作業による一時的な疲労感を軽減することに役立つ機能が有ることが示されたという。
 同社の担当者によると、「女性の注意力や思考力などを使う作業の繰り返しによる一時的な精神的疲労感を軽減することに役立つ機能」が追加されたことで、他社からの引き合いが拡大。中高年女性を対象とした商品を紹介する通販会社による問い合わせも増えており、すでに商品化も進んでいるという。

(冒頭の写真:落葉松/DHQ提供)

関連記事:タキシフォリンで新たな機能性表示 【機能性表示食品届出DB更新】新規届出のうち13件がGMP認定工場で製造

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