大麻由来製品THC残留限度値 厚労省、オイルの場合「10mg/kg以下」提示
厚生労働省は30日、昨年12月公布の改正大麻取締法及び麻薬・向精神薬取締法の関係政令を定め、改正法を施行するため、カンナビジオール(CBD)オイルなど大麻由来製品中のテトラヒドロカンナビノール(THC)残留限度値などに関する意見募集を始めた。
飲食料品のうちオイルについては「10mg/kg以下」とする案を提示。大麻由来製品中THCの標準的な分析法に関する案も同時に示した。それぞれ来月28日まで意見を募る。
大麻由来製品中THC残留限度値などに関する政令の施行日は今年10月1日を提示した。
案では、3つの製品区分に分けて限度値を示し、「油脂(オイル)」10mg/kg(0.001%)以下、「飲料」0.10mg/kg(0.00001%)以下、グミなど「その他の製品」1mg/kg(0.0001%)以下──を提案した。
THCの作用が発現される量よりも一層の安全性を見込んで設定した。欧州食品安全委員会(EFSA)の規定なども参考にした。飲料の数値が最も低いのは、他の飲食料品と比べ、摂取量が大きくなる場合が想定されるため。
改正法の施行で、幻覚などの精神作用を持つTHCに対する規制は、従来の大麻取締法に基づく部位規制から、麻向法に基づく成分規制に変わる。これまで利用が禁じられてきた大麻草の花穂や葉も、CBDオイルなど大麻由来製品の原料として利用可能になる。一方で、製品中にTHCが微量残留する可能性があるため、残留限度値が政令で規定される。
残留限度値以下であれば、麻薬には非該当。しかし限度値を上回れれば、麻薬に該当する恐れが生じる。大麻由来製品の製造・販売事業者らには、厳格な製造・品質管理が求められることになる。
【石川 太郎】
関連資料:大麻由来製品に含まれるΔ9-THCの標準的な分析法(案)(e-Govパブリック・コメントのサイトへ)
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