大正製薬、エラグ酸で新展開 【1日の届出DB公開】原材料にザクロ抽出物
機能性表示食品の届出情報公開データベースの更新が1日にあり、届出番号H210～230まで計21件の新規届出が公開された。新規の機能性関与成分やヘルスクレームは見られないものの、大正製薬㈱（東京都豊島区）からの「エラグ酸」に関する届出が2件公開。果実のザクロの抽出物に含まれる同成分を機能性関与成分にしたサプリメントを届け出た。
今年度すでに4製品を届け出る
大正製薬は今年5月以降、エラグ酸を機能性関与成分にしたサプリメントやその他加工食品を相次いで届け出ている。この日の更新で累計4製品となった。
エラグ酸といえば、アフリカマンゴノキエキスに含まれる同成分を機能性関与成分とする届出が多い。だが、大正製薬が今年度に入ってから届出を進めているエラグ酸は、いずれもザクロ抽出物に含まれるもの。ザクロ由来のエラグ酸の届出は現在のところ同社のみだ。今後、他社からも同様の届出が行われるかどうか注目する声が業界の一部で上がっている。
コレステロールと中性脂肪、低下機能をダブルで訴求
この日公開されたエラグ酸に関する大正製薬からの届出商品名は、『コレステロールや中性脂肪が気になる方のタブレットDX』と『コレス＆ミドルケア タブレット』のそれぞれサプリメント。届出表示（ヘルスクレーム）は同一で、「本品にはエラグ酸が含まれるので、LDL（悪玉）コレステロールや中性脂肪を低下させる機能があります」となっている。
一方、上記2製品に先行して5月2日付で届け出ていた『コレス＆ミドルケア さらっとおいしい青汁』と『コレステロールや中性脂肪が気になる方の青汁』（いずれもその他加工食品）の2製品のヘルスクレームは、「本品には、エラグ酸が含まれます。エラグ酸には、LDL（悪玉）コレステロールや中性脂肪を低下させる機能があることが報告されています」と機能性関与成分の研究レビュー。訴求機能は4製品とも同じだが、表示する機能性の科学的根拠の種類に違いを出している。
22年度の届出総数230件に うち140件超がサプリ
なお、この日公開された新規届出の食品区分上の内訳は、サプリメント形状の加工食品が18件、その他加工食品が3件。サプリメントの届出が多い状況が続いており、今年度の届出総数230件のうち141件をサプリが占める。
また、7月25日付で2件の届出が取り下げられたことも公表された。取り下げられたのは2019年に届出があったパソタソース2製品で、取り下げ理由はいずれも「製品終売」。両製品とも肌に対する機能（うるおいを守るのを助ける）を訴求するものだった。
【石川 太郎】
（冒頭の画像：大正製薬が届け出た『コレス＆ミドルケア タブレット』の表示見本。消費者庁の届出樹報公開DBより）
