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受託製造の立場から見たフェムテック 【フェムテック特集】化粧品が先行、サプリはこれから

 フェムテック・フェムケア市場に今後、サプリメントや健康食品が広がっていくのかどうか。水面下で商品開発が進められているのだろうか。最終商品販売会社からの委託を受け、商品の開発・製造を手がける大手受託企業の㈱東洋新薬(本部:佐賀県鳥栖市)に足元の状況を尋ねた。

関心高く、引き合いもあるが
 
 「お客様(最終商品販売会社)の関心は高いと感じます。更年期やPMSに関連した引き合いが少なくなくありません。当社としても、フェムケア・フェムテック関連のご要望があれば、そういったコンセプトを持つ具体的な商品開発を提案しています」。同社の広報担当者はそう話す。

 ただ、製品化に至った事例はまだまだ少ないのが現状だという。引き合いがあるにもかかわらず、なぜだろうか。

 「一口に『フェムケア・フェムテック』と言っても、デリケートゾーンケア、生理・PMSに限らず妊活・産後・更年期そしてメンタルヘルスと幅広いのが実態です。このため消費者の理解もこれからだと思いますので、事業者としても女性の悩み・課題の何にどうアプローチするか、そして伝えるのがよいのか、広告等規制もありますし試行錯誤されているのではないかと思います」。

 一方で、製品化が進んでいる分野もあるという。スキンケア化粧品だ。同社はサプリメントや健康食品とともに、化粧品の受託開発・製造も手がけている。グループ売上高325億8,000万円、前期比107%(22億6,000万円増)と伸長した同社の22年9月期業績の中身を見ると、売上高全体に対して化粧品事業の占める割合は小さいものの、伸び率は化粧品事業が健康食品事業を上回っている。

 「フェムテック・フェムケアに関連した提案で先行させたのが化粧品だったという事情もあると思いますが、引き合いが多く、製品化も進んでいます。例えば、デリケートゾーンをケアするアイテムです。低刺激性などの特長を持たせ、肌への優しさを訴求するような製品を求められています。界面活性剤を使わずに製品化できる三相乳化の独自技術を当社は保有していますから、その強みを生かせている面もあると思います」。

この1年の動きに注目している

 今後、そうした化粧品の後を、サプリメントや健康食品が追っていくことはあるのだろうか。同社はどう見ているのか。

 「健康食品にとってフェムテック・フェムケアは、まさにこれからの市場なのだと思います。この1年のうちに、具体的な動きが出てくるのではないでしょうか。ただ、一般健康食品として需要を開拓していくのが非常に難しい分野です。フェムテック・フェムケアに関する機能を訴求できる機能表示食品が実現するといいのですが。実現すれば、新しい市場が生まれると思います」。

 フェムテック・フェムケア市場にサプリメントや健康食品を広げていくためには機能性表示食品がカギになる、という声は他の企業からも聞く。実際、機能性に関する表示を通じて消費者とコミュニケーションを図らない限り、そうした商品を求める人々に存在を知らせることさえ出来ない。

 機能性表示食品の開発や届出などに関してノウハウを持つ東洋新薬は現在、フェムテック・フェムケアに関連する機能性表示食品の実現を目指した研究開発を進めているのだろうか。

 「現在進めている研究の内容についてお答えすることは出来ません。ただ、当社の使命は、お客様から求められるものを開発することです」。

【聞き手・文:石川 太郎】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:佐賀県鳥栖市弥生が丘7-28(本部・鳥栖工場)
TEL: 0942-81-3555(本部)
URL: https://www.toyoshinyaku.co.jp
問合せ:https://www.toyoshinyaku.co.jp/contact/
事業内容:健康食品・化粧品・医薬品・医薬部外品の受託製造

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