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健食通販企業なりの地元貢献の仕方 サプリから地場食材まで手がけるグリーンハウス・横尾一浩社長に聞く

 グリーンハウス㈱。福岡市を拠点とする1996年創業の通販企業である。青汁から事業をスタートした後、2000年代以降の主力商品はサプリメントになった。その中で2010年代、九州産生鮮食品等の産地直送通販事業を新たにスタート。「健康」を軸に、サプリメントから生鮮食品までの通販事業を手がける同社の横尾一浩社長(=写真)にインタビューした。

──3月22日以降、機能性表示食品制度をどう評価していますか。

横尾 サプリを販売する以上、機能性表示食品制度の土俵に乗らざるを得ないと考えます。それが世の中の流れ。健康食品の中でも、特定の効果をうたう必要のあるサプリメントは、通常の食品とは異なる「特定目的型」ですから、機能性を表示したり、広告できたりしないと、とりわけ通販市場では勝負になりません。

 ですから昨年、当社で販売している最終製品を用いた臨床試験の論文を投稿しました。その商品で臨床試験を行った事は過去にもあるのですが、今回はよりコンセンサスの得られた評価指標を用いたRCT(ランダム化比較試験)を行いました。費用はかさみますが、私たち独自の強みを獲得するために必要な投資です。もちろん、当社の祖業でもある青汁のような健康食品は、サプリとは性質が異なりますから、サプリとは分けて考えています。ただ、当社の現在の主力はサプリ。今後、制度が大きく見直されるのだとしても、受け入れざるを得ません。

──健康食品の売上だけに依存するつもりはない、と以前から話しています。

横尾 一本足打法は取らないということ。それに、足元の事業をしっかり拡張させていくことが重要だと考えています。私たちは地場(九州)の食材の産地直送通販も手がけています。そちらもしっかり充実させていきます。

 昨今の円安で、農業の世界でも生産コストは高まった一方で、海外輸出で稼げる要素が大きく増しました。農業の世界は規制改革がほとんど行われていませんから、従来型の販売スキームがほぼそのまま残っています。そこを突破できる強みが通販にはある。私たちは地場の農家の皆さんと直接つながっていますから、農家と一緒になって、生産効率化などのイノベーションを起すこともできる。そのようにして生産量を増やしたり、付加価値を高めたりに取り組んでいます。そうした食材を、その加工食品も含め、国内外のお客様にどんどん届けていきたい。今後、すごく面白いビジネスになると考えています。

──九州の通販企業が九州の食材を全国、さらに海外にまで通販で広げていこうと。

横尾 そうです。健康食品の通販は、地場の強みを活かすということがあまりできません。私たちのお客様も、私たちが福岡の企業であることを、九州のお客様以外はご存知ないかもしれません。ですが、私たちの地場である九州に特化した食材の産地直送通販は、まさに私たちの地場を活かせます。地場に貢献することもできます。いろいろと働きかけをさせてもらいながら、地場の農家さんの生産物を一定の価格で買い取り、本来であれば収益に出来ているはずの部分も含めて収益化できるようにする。そして継続的な農業を続けていただく。それがこの事業を10年前から行っている理由です。

 健康食品を販売しているからこその強みを活かすこともできます。先日、福岡産の「太秋柿」(甘柿の一種)を機能性表示食品として届け出ました。農家さんは、需要は減る一方と見ていたようですが、私たちは、食材としての魅力を「健康」の面で掘り起こしたり、売り方を変えたりすれば、市場はもっとあると考えました。こうしたことが、九州を地場にして健康食品の通信販売を行っている当社だからこそできる地場への貢献だと考えています。九州らしい食材を扱っている九州の通販企業という認知がもっと高まっていくことで、私たちの強みはより発揮できるようになるはずです。

──ありがとうございました。

【聞き手・文:石川太郎 取材日:2024年5月13日、グリーンハウス本社】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡県福岡市中央区大名2-7-27 シティ18天神ビル2F
TEL:092-738-2828
URL: https://www.greenhouse.ne.jp
事業内容:健康食品・化粧品の通信販売、九州産食品の産直事

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