健康食品販売サイトの申し込み最終画面が消費者に誤認を与えるとして、消費者庁は22日、通信販売会社の（株）GRACE（東京都新宿区、江頭竜輔代表）に対し、特定商取引法違反により、表示の是正と再発防止策の構築などを指示したと発表した。

　同社は、ダイエット効果を訴求したサプリメント『麹の贅沢生酵素』をウェブサイトで販売。「初回完全無料贅沢コース」と「贅沢おまとめコース」により、定期購入契約を行っていた。

　消費者庁の調べによると、昨年10月28日以降、「初回完全無料贅沢コース」の場合、申し込み最終画面の「初回完全無料の贅沢コースに参加する」と表記されたボタンを押すと、申し込みが完了する仕組みだった。また、「贅沢おまとめコース」の場合、申し込み最終画面の「購入完了ページへ」と表記されたボタンを押すと、申し込みが完了する仕組みとなっていた。

　消費者庁は、これらのボタンを押すと申し込みが完了することがわかりにくく、消費者に誤認を与えると判断。特商法に違反すると認定した。

　PIO-NETに登録された同社に関する消費者相談件数は、2019年度（昨年12月末時点）に4,761件に上るなど、「非常に多い」（取引対策課）。ダイエット効果を訴求していたことから、相談者の86％を女性が占めている。

　取材で同社にコメントを求めたが、担当者につながらなかった。

（写真：22日午後に行われた記者発表）