健康食品の現状を問い直す年に 【年頭所感】(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS) 池田秀子理事長
新年明けましておめでとうございます。
さて今年は、平成17年通知正の施行で幕が開きます。旧通知以降、健康食品を巡っては、機能性表示食品制度、指定成分等含有食品制度、さらにHACCP制度の義務化などの大きな変化がありました。それらを包含した改正通知は、より高度の原材料の安全性確認と適切な製品設計に加えて、指定成分GMPと整合をとった新GMPガイドラインによる製品の品質管理をするという新たな流れを示しています。これを実現するには、基原材料の加工業者から最終製品の販売者に至るまでの「全ての事業者」がそれぞれの段階で安全性を確保し、バトンを繋いでいかなければなりません。当協会もその中でどこまで役割を担うことができるか正念場にあると自覚している所です。
今年はさらに平成14年通知も改正される予定で、健康食品との関連が疑われる健康被害情報の収集強化と、その評価に基づく注意喚起や行政指導の他、必要に応じて指定成分への指定などの対応もとられることになります。
これら2つの改正通知は、健康食品の安全性確保のためにはもっと努力が必要であると告げています。しかし、安全性へのアプローチは、企業の力量や考え方によって大きな差が出てきます。これを一定レベルに押し上げ健康食品の信頼を高めていくには、健康食品の定義がなされていなことや包括的法制度がないという現実に改めて目を向ける必要があるのではないでしょうか。わが国は、機能性表示の有無によって食品を区分しようとしています。しかし、それは安全性の要求レベルに基づく食品の区分とは一致しません。消費者に対して何を最優先とすべきか、もう一度、健康食品の現状を問い直す年になることを期待したいと思います。