健康食品などウェルネス事業を強化 【化粧品&美容食品特集】岩瀬コスファ、機能性表示食品の届出サポートも
岩瀬コスファ㈱(大阪市中央区、岩瀬由典社長)は、1931年創業した大手化粧品原料商社。昨年90周年を迎えた。国内外のトレンドを踏まえたさまざまな化粧品原料を供給する。化粧品だけでなく、健康食品原料を組み合わせた内外美容の展開も強化し、昨年新たにスタートした中期経営計画の下、OEM事業を含むウェルネス事業を推進する。国内外の試験施設と連携し、化粧品と健康食品の有効性・安全性データの取得支援にも注力する。
同社では、主軸の化粧品事業のほか、約10年前から健康食品原料の供給を手がけてきた。茶花エキスやハスの花エキスなど独自の機能性素材をはじめ1,000品目を超える機能性原料を供給している。
「ハスの花エキス」は、2016年に美容系素材として上市したハスの花部(蓮花)由来の乾燥エキス粉末。ハスの花は中国や東南アジアの伝統医学で止血効果や鎮静、皮膚疾患の治療に使われてきた歴史があり、タイでは現在でもハスの花を食べる食文化が残っている。同社ではハスの花に含まれるアルカロイド2,3,5に、美白成分として知られるアルブチンの約10倍の活性があることを確認。他素材と組み合わせた時の肌への相乗効果などエビデンスも取得しており、豊富な原料に関するノウハウを活用した製品企画に対応している。
同社は、機能性表示食品の届出にも積極的に取り組んでおり、同社オリジナル成分である「茶花エキス」のエビデンス取得に努めてきたが、このほど独自に行った臨床試験結果を基に機能性表示食品として届出を行った。1日100mgの摂取により、血中中性脂肪上昇抑制とRLPコレステロールの上昇抑制で有意な差が認められた。茶花エキスは水溶性で、サプリメントだけでなく、ドリンク,ゼリーなどにも添加しやすい。担当者は、「今後も、内外美容の素材としてのオリジナル性を重視し、他社との差別化を図りたい」と話す。また、こうした知見を深めることで、多様化するクライアントからの要望に応えるとして、同社では、現在、機能性表示食品の商品企画から届出・公表に至るまでのトータルサポートにも注力している。
安全性試験・有効性試験を受託
同社では、安全性や有効性のエビデンス取得に向けた試験受託も行っている。同事業は、2002年に韓国の非臨床試験施設であるBIOTOXTECH社の代理店事業として活動を開始した。現在は、国内外の試験施設とネットワークを形成し、クライアントのニーズに合わせて、in vitro試験から臨床試験までさまざまな試験の提案を行っている。担当者は、「多角的な視点で新規素材の提案や開発のためのエビデンス取得について協力することで、科学的データに基づいた安全性、有効性のエビデンスを備えた提案をサポートする」と話す。
佐賀県唐津市で、きくらげの栽培に着手
佐賀県唐津市にある同社九州事業所の敷地内「唐津ウェルネスファーム」において、新たにきくらげの栽培・生産・供給を開始した。中でも、通常の黒いきくらげが突然変異で白く育つ「白いきくらげ」は発生確率が1万株に1株と言われるほど希少性が高い。また、不溶性食物繊維を多く含むことから、美容感度の高い女性たちの関心を得ている。
しかし、日本国内で流通しているきくらげのほとんどが外国産の乾燥きくらげで、生のきくらげを食べる機会は少ない。同社では「たくさんの方に希少な生のきくらげを味わってもらいたい」とレストランなどへも供給しており、9月にはECサイトで個人向けの販売を開始した。現在は乾燥きくらげのみの取り扱いだが、順次生のきくらげも販売していく予定。また、今後はきくらげを加工し健康食品や化粧品の原料としても研究・販売に注力していく考えだ。
2025年日本国際博覧会への協賛が決定
8月末に同社が2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に協賛することが発表された。同社では、「世界中の人々の豊かな暮らしと、より多くの喜びに貢献することを目指し、協賛企業の皆様と共に、50年後のいのちの未来を共創してまいります」としており、大阪・関西万博の成功に向けて貢献していく。
<COMPANY INFORMATION>
所在地:大阪府大阪市中央区道修町1-7-11(本社)
TEL:06-6231-3456
問合せ先:https://www.cosfa.co.jp/inquiry/health.html
URL:http://www.cosfa.co.jp
事業内容:化粧品原料、医薬品原料、機能性食品対応原料の供給など