小林問題「立憲の緊急申入」中身明らかに 原因究明に関わらず、報告義務化に向けた法改正求める
立憲民主党は12日、小林製薬㈱(大阪市中央区)の紅麹を原料とするサプリメントが原因とされる健康被害の拡大について、10日に自見はなこ内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)、11日に武見敬三厚生労働大臣に行った緊急申入れの中身を公式サイトで明らかにした。
同党は「機能性表示食品の見直しに関するプロジェクトチーム(PT)」(座長:大西健介衆議院議員)を立ち上げており、健康被害に対する早急の対応、機能性表示食品制度のあり方について5日に初会合を開いている。
申入れ内容は、①国が責任をもって原因究明を行うこと、②消費者への十分な情報提供と類似製品への風評被害の防止、③消費者庁による「届出後の機能性表示食品の健康被害情報の収集・評価・報告の実施状況の確認について(照会)」の回答結果が出るまで、新たな届出の受付を停止し新規の流通を差し止めること、④健康被害の発生および拡大の恐れがある場合には、原因が特定できていなくても速やかに報告することを義務付ける法改正を今国会で実現すること、⑤原材料の受け入れを含めた製造管理基準(GMP)の認証を義務化すること――の9項目に及ぶ。
ホームページでは各大臣とのやりとりも公表
健康被害の報告義務化に向けた法改正の緊急性を主張する大西座長に対し自見大臣は、「信頼に足る制度が必要ではあるが、エビデンスに基づく行政としての決定が必要」と回答。
健康被害の報告義務化の法改正とともに、「安全性に関しては厚労省が主導すべき」、「法改正では食品衛生法や食品表示法、機能性表示食品のガイドラインなど網をたくさんかける方法を消費者庁と議論してほしい」と要請したのに対し武見大臣は、「製品の出荷までのプロセスや疫学的調査、ガバナンス調査を踏まえた上でルール化は必要。所轄は消費者庁だが食品全般の安全にかかわる厚労省も連携してルールが機能するよう考えてみたい」と回答したと伝えている。
大西座長は、「健康被害の報告を怠ったためにこの2カ月で被害が拡大した恐れもある。原因究明を待たずとも報告を義務付ける法改正は先んじて今国会でやるべきだ」と強調している。
【田代 宏】
(冒頭の写真:申入書を掲げる大西座長(中央左)と武見厚労相/立憲公式サイトより)