メラニン抑える働き ヒト試験で確認
オリザセラミドを経口摂取 日本薬学会で発表
オリザ油化㈱(愛知県一宮市、村井弘道社長)が製造販売するサプリメント向けの米由来セラミド素材「オリザセラミド」(登録商標)について、外部CROによるヒト試験が実施され、紫外線照射による色素沈着(メラニン)を抑える働きのあることが示唆された。この働きには、同素材に含まれる主要な機能性成分であるグルコシルセラミドやElasticamideが大きく寄与していると考えられるという。これまでの研究で、メラニンを抑える働きのあることが、ヒトの皮膚の構造に近いモデル細胞試験で確認されていた。ヒトの経口摂取試験で有効性が示されたのは今回が初めて。
この研究結果は、今月25~28日にオンライン開催された日本薬学会第142年会で同社が発表したもの。今後行う予定の論文発表に先んじて学会発表を行った。演題名は、「米由来各種グルコシルセラミドおよび遊離型セラミドelasticamideのメラニン産生抑制作用」。
発表によれば、今回のヒト試験では、健常な成人女性46人を対象に、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験を行った。グルコシルセラミドとElasticamideを規格したオリザセラミドを1日あたり40mg、8週間継続摂取してもらい、紫外線照射によって生じる色素沈着(メラニン産生)が抑制されるかどうかを、プラセボ群と比較する形で検証した。検証部位は腕内側部。
その結果、メラニン量を測定した摂取4週間後と8週間後のそれぞれで、オリザセラミド摂取郡は、紫外線の強弱に関わらず色素沈着を抑える傾向が認められた。特に、摂取8週間後について、1288および1546 mJ/cm2・Sの強さの紫外線照射による色素沈着が有意差をもって抑制されることが確認されたという。
オリザセラミドは、肌領域(保湿)の機能性表示食品などに用いられている素材。肌の保湿に働く機能性関与成分としてグルコシルセラミドを含む。他にも、最近の研究で、β-シトステロールグルコシド(BSG)や、ヒト型セラミドの一種であるElasticamideといった機能性成分を含むことが分かり、それぞれ保湿機能を有すことが細胞試験などで確認されていた。