ミツカン、発酵食物繊維の効果を検証 腸内環境と美容をサポートする働きに期待
㈱Mizkan(愛知県半田市、吉永智征社長)はこのほど、発酵性食物繊維の摂取が、睡眠の質や肌の状態にもつながる可能性があることを見出したと発表した。
摂南大学、京都府立医科大学と共同で臨床試験を実施。同研究成果は、国際学術誌「Microorganisms」に掲載された(UMIN臨床試験登録番号:UMIN000054712)。
食物繊維、とくに発酵性食物繊維の含有を中心とする食品の摂取が、健康な成人の腸内環境や便通関連 QOL(生活の質)に与える影響を検証すると同時に、睡眠や皮膚状態など全身の健康指標との関連を探索的に評価することを目的とした。
20~50歳の健康な成人105人を対象に4週間、食物繊維の低摂取グループ(1日平均 2.2gの追加摂取)と食物繊維の高摂取グループ(発酵性食物繊維を中心に 1日平均 8.2gを追加摂取)との無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施。
研究の結果、食物繊維の摂取は、一部の腸内細菌の割合を増やし、便通関連の生活の質を改善する傾向を示した。さらに、増加した有益菌の大腸内に占める割合(占有率)が、睡眠や肌に関するスコアと相関することが確認され、腸・脳・皮膚のネットワークを介した広範な健康価値の可能性が示されたという。
食物繊維は、古くから便通改善に有効とされてきたが、近年は、腸内細菌を介した全身への影響が注目されている。特に食物繊維の中でも発酵性のある食物繊維は、大腸で腸内細菌により分解され短鎖脂肪酸などの代謝産物を産生することが知られている。
同社では、企業理念である「買う身になって まごころこめて よい品を」に基づき、商品やメニューを通じて、消費者へ「おいしさと健康」を提供するとしている。