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マウンテンキャビアエキスに新規成分 アシル化フラボノイド配糖体を発見、化学構造も明らかに

 オリザ油化㈱(愛知県一宮市)が健康食品など食品の原材料として国内外で販売しているマウンテンキャビアエキスに、従来知られていないアシル化フラボノイド配糖体が含まれていることが分かり、化学構造も明らかにできた。近畿大学(大阪府東大阪市)薬学総合研究所及び同大アンチエイジングセンターの森川敏生教授らと同社の共同研究成果。この新規成分は、血糖値の低下を阻害する酵素の働きを抑制することも分かり、両者で特許出願したという。

近畿大学薬学総合研究所とオリザ油化が共同研究

 オリザ油化と近畿大が22日までに発表した。マウンテンキャビアエキスから新規のアシル化フラボノイド配糖体を3つ発見し、それぞれ化学構造を解明した。マウンテンキャビアの学名「Kochia scoparia」にちなみ、「Kochiaflavonoside(コキアフラボノサイド)A」、「同B」、「同C」と名付けた。

 アシル化フラボノイドとは、フラボノイド化合物に糖分子が結合した配糖体、かつ、アシル基が結合した化学構造を持つもの。今回発見できた物質にはアシル基としてフェルラ酸が結合していることが現在までに分かっているという。

 共同研究では、コキアフラボノサイドA・B・Cの生理活性も検証した。

 マウンテンキャビアエキスは食後血糖値の上昇を抑える働きを持つ可能性が示唆されているため、食後の血糖値低下を阻害する酵素であるDPP4の阻害活性を検証したところ、同A・B・CのいずれもDPP4の働きを抑えることが分かったという。

 同社は今回の共同研究成果について「マウンテンキャビアエキスの血糖値上昇抑制作用のメカニズムの解明や、健康食品や機能性表示食品の素材としてのエビデンス構築が期待される」としている。

 マウンテンキャビアは、日本では「トンブリ」として知られる食材。アカザ科植物のホウキギの成熟果実を加工したもので。見た目がキャビアに似ているため「畑のキャビア」などとも呼ばれる。オリザ油化は、開発したマウンテンキャビアエキスを「VegCaviar(ベグキャビア)」と名付け、ブランド化を図りながら、国内外の食品メーカーに販売している。

(文中の画像:マウンテンキャビアエキスに含まれる新規成分、アシル化フラボノイド配糖体の化学構造。オリザ油化の報道発表資料から)

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