プラセンタエキスの製造・品質管理 スノーデン、原材料から最終製品までGMPで
胎盤から得られるプラセンタエキスを利用したヘルスケア製品の製造販売で国内リーディング企業のスノーデン㈱(東京都千代田区、明壁正英会長)。プラセンタエキスをめぐり、一般用医薬品からサプリメント、化粧品まで手がけている中で、サプリメントに関しては、創業当初から手がける医薬品の考え方を反映しているという。原材料から最終製品まで、健康食品GMP認証工場で衛生、製造、品質の管理を行う。
プラセンタ食品規格基準を遵守
スノーデンは1977年設立。同社を代表する、プラセンタエキス配合の一般用医薬品『プラセントップ 液・錠』の発売は1980年代後半に遡る。サプリメントに関しては、最終製品工場として2015年に竣工した「熊谷工場」(埼玉県熊谷市)について17年、(公財)日本健康・栄養食品協会から健康食品GMP適合認定(範囲:製剤および包装)を取得。それに合わせ、胎盤からプラセンタエキスを製造する工程に関しても、健康食品の原材料GMP適合認定工場で行うようになり、現在に至る。
そのように原材料から最終製品までの製造を健康食品GMP工場で行った上で、製品の安全性、有効性、品質を確保するための規範として同社が用いているのが、日本健康・栄養食品協会が2013年に策定したプラセンタ食品の規格基準。
この規格基準は、プラセンタを、「適正に農場にて飼育された健康な家畜(豚および馬)の満期出産時に、後産として得られる食用の胎盤」と定義。同社が取り扱うプラセンタエキスの起原材料として利用する胎盤は、この定義に合致することを絶対とする。
また、「(原材料に関する)試験検査成績書、並びに、原材料の胎盤供給について、農場が発行する証明書等が必要」だとする基準もあるため、各書類を必ず用意する。とりわけ、起原材料となる胎盤の調達に気を配る。農場発行の証明書等の入手はもとより、国内外に存在する契約農場への監査をはじめ、農場の衛生管理状況、家畜のウイルス感染の有無、その管理などを点検するため独自に設けた適正チェックシートを運用しながら、胎盤の安全性とトレーサビリティを確保しているという。
最終製品の崩壊性試験も必須に
そのようにして得られた胎盤が、予め定めた手順書に基づき、プラセンタエキスに製造・加工する。その製造は、ウイルスクリアランス試験(製造工程上のウイルス除去・不活化能を評価するための試験)によって安全性が確保された条件下で行う。そうした安全性確認工程も経て製造されるプラセンタエキスを、同社の熊谷工場で製剤化(最終製品化)する。同工場で製剤化できる剤形は、カプセル、錠剤、顆粒の3つ。その全てについては最終製品としての品質を確保することを目的に、製造ロット毎に一般生菌数などを検証する製品試験を実施。カプセルと錠剤については崩壊性試験も取り入れているという。同規格基準に、「60分以内に崩壊すること」とする決まりがあるためだ。
「医薬品と食品(の製造、品質管理)を、一概に同じ土俵で比較することはできない」
医薬品からサプリメント、化粧品まで、同社から出荷される各種製品の品質保証を担当している住谷正敏・執行役員生産本部副本部長は、そう指摘する。「サプリメントは食品であり、食品は当然ではあるが、一般生菌や大腸菌群など衛生管理の部分がより重視される」ためだという。
一方で、「当社は医薬品を最初に始めたこともあって、健康食品の製造や品質も医薬品の管理方法に従うのが基本思想」だとも語る。その上で「ここにきて医薬品のGMPは変化のスピードがかなり速まっている。それに合わせて健康食品も、安全性を含めた品質に対する要求が加速していくのではないか」と、サプリメントに求められる製造・品質管理の今後を予測する。
(冒頭の写真:スノーデンの熊谷工場。同社提供)
<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都千代田区岩本町3-7-16 井門岩本町第2ビル
TEL:03-3866-2828
URL:https://www.snowden.co.jp/biz/(企業向け)
事業内容:健康食品原材料・化粧品原材料・医薬部外品原材料の製造販売、健康食品・医薬品の製造販売