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プラズマ乳酸菌、広がる生活者接点 大正製薬などキリングループ外企業からも続々

 キリンホールディングス㈱(東京都中野区)の独自素材、プラズマ乳酸菌を機能性関与成分にした機能性表示食品(免疫ケア機能)の販売アイテム数が、近く、およそ40商品に拡大する。キリングループが販売する商品の他、同社からの素材供給を受けて商品開発した外部企業が新たに販売を開始することで、販売商品数が昨年10月比で2倍超になる。今後、飲料大手が複数の有名ブランドから商品投入する見通しで、プラズマ乳酸菌と消費者、生活者の接点はますます広がることになる。

 大正製薬㈱(東京都豊島区)と常盤薬品工業㈱(神戸市中央区)が今月から12月にかけて、プラズマ乳酸菌を機能性関与成分にした青汁やサプリメントなどの機能性表示食品を、全国の量販店、通信販売、配置薬販売網などを通じて順次、新発売する。発売アイテム数は2社合わせて4商品。これにより、キリングループ外企業からのプラズマ乳酸菌配合機能性表示食品の商品アイテム数は6社11商品に拡大する。これまでにカンロ㈱、森永製菓㈱、㈱日本薬健、オリヒロ㈱が発売している。

 キリングループとしての販売アイテム数は、今月から順次発売する新商品を含め計27商品になる。そのうえで外部企業とタッグを組み、商品のアイテム数とバリエーションを増やし、消費者、生活者との接点を拡大。日常生活における「免疫ケア」の習慣化につなげ、プラズマ乳酸菌市場の拡大を図る狙いだ。今後、日本コカ・コーラ㈱が『ジョージア』などの有名ブランドからプラズマ乳酸菌配合機能性表示食品(飲料)を発売することが見込まれており、接点はさらに大きく広がる。

 プラズマ乳酸菌(L. lactis strain Plasma)は、チーズやヨーグルトなどの発酵に使われる乳酸菌の一種。「免疫の司令塔」とも呼ばれる「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」を活性化させる機能のあることがキリングループの研究で確認されており、健康な人の免疫機能の維持に役立たせることが期待できる。キリンホールディングスによれば、これまでに発表してきて研究論文は約30報、うち、15報がヒト試験に関するもの。

免疫ケア市場、第2弾成分の登場で拡大加速か

 ヘルスクレームが可能な機能性表示食品で構成される免疫ケア市場は、プラズマ乳酸菌が市場を独占している。今のところ、免疫ケアを訴求できる機能性関与成分が他に届け出されていないためだ。キリンホールディングスが免疫ケアの普及啓発を積極的に行っている中で、プラズマ乳酸菌に競合する機能性関与成分が登場し需要開拓が進めば、免疫ケア市場は加速度的な広がりを見せる可能性もある。現在、乳業メーカーなど複数の企業が、プラズマ乳酸菌と同様の働きを訴求できる機能性関与成分および機能性表示食品の届出に向けて取り組んでいるとみられる。プラズマ乳酸菌に続く第2弾の機能性関与成分がいつ登場するかどうか注目されている。

 キリンホールディングスは今後、プラズマ乳酸菌のマーケットを東南アジアや欧米など海外にも広げる取り組みを加速させる。国内外の外部企業と連携しながらプラズマ乳酸菌配合製品の需要を高めて、2027年に素材販売(菌体販売)で約35億円、最終製品では販売価格として約500億円の市場創出を実現したい考え。そのために自社での製造体制を段階的に強化する。23年は、自社でのプラズマ乳酸菌体製造能力を22年比で約2倍に高める計画だ。

【石川 太郎】

(冒頭の画像:キリンホールディングスが今月8日から全国で放映開始する新CMの一部。同社の報道発表資料から)

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