ビタミンDサプリは転倒リスクを低下
(国研)医薬基盤・健康・栄養研究所(東京都新宿区)は15日、素材情報データベースを更新し、骨折・転倒に関する「ビタミンDサプリ」の有効性情報を追加した。
2019年1月までを対象に3つのデータベースで5万8,424人を対象とした無作為化比較試験47報を検索しメタ解析したところ、ビタミンDサプリメントの摂取は、転倒 (47報)のリスク低下と関連が認められたという。一方、骨折(24報)のリスクには影響が認められなかったとしている。
著者は、「ビタミンDサプリメント、特にビタミンD3の使用は、転倒の発生率を減らすことができるが、カルシウムサプリメントを含むビタミンDのみが骨折の整復に効果を示した」と結んでいる。
以下は、素材情報データベースによる解説。
ビタミンDは脂溶性ビタミンの1つであり、化学的には植物由来のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と動物由来のビタミンD3(コレカルシフェロール)がある。ビタミンD3は太陽光線により皮膚で合成されるため、日光に当たる機会の少ない人では不足することがある。ビタミンDは体内において、カルシウムのホメオスタシス (恒常性維持) に関与している。
<有効性>
一般に、「骨を強くする」「カルシウムとリンの吸収を助ける」「血液中のカルシウム濃度を一定に保つ」などと言われている。人においては、ビタミンD欠乏の予防と治療に対して有効性が示されている。
<安全性>
適切に摂取する場合はおそらく安全である。妊娠中・授乳中における耐用上限量は100μgとされており、それ以上の摂取は避けるべきである。
<摂取してはいけない人(禁忌)>
高カルシウム血症患者