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パリッとジューシーで累計100億本超 丸大食品『燻製屋 熟成あらびきポークウインナー』が30周年

 発売30周年を迎えた丸大食品㈱(大阪府高槻市、佐藤勇二社長)の『燻製屋 熟成あらびきポークウインナー』は、多くの消費者に支持され、販売数が好調に推移している。多様化する食環境にマッチした取り組みとして、SNSを含めたアレンジレシピの情報発信にも注力している。節目となる今年はパッケージのリニューアルも実施。その背景には調査結果から判明した消費者動向もあるようだ。同社ハムソーマーケティング部部長の山本悟司氏、商品企画課課長の奥山孝子氏に話を聞いた。                   

品質の高さは国内外の品評会でも認められるブランドに

 1970年代の丸大ハムのテレビCM「わんぱくでもいい。たくましく育ってほしい。」のキャッチコピーで広く知られている同社。もともとフィッシュソーセージの製造販売から始まった企業だったが、95年に『燻製屋 熟成あらびきポークウインナー』を発売。翌年にはJAS熟成規格の認定第1号となり、18年から新規格となった特色JAS規格(熟成)の認定も受けている。

 特徴の1つは、72時間以上の熟成期間を設けることで原料肉中のたんぱく質や脂肪の一部が分解されて肉の旨みをより引き出していること。あらびきにした肉とウインナーの皮には天然腸を使用することで、パリッとジューシーな食感を実現。さらに選びぬいたスパイスやドイツ産の岩塩を使用するこだわりなどもあり、現在では国内外の食肉製品の品評会で最高ランクの評価も受けている。

 「スモークの香りを人工的に加える方法もあるのですが、当社は『燻製屋ブランド』で支持されていますので、きちんとウッドチップでいぶして自然なスモークの香り付けを行うなど、肉本来の旨みを引き出すために余計なことはしない、そこはシンプルに食材に向き合って製造してきています」(山本氏)。
22年には環境負荷低減のため、パッケージの上部を短くし、巾着型からガゼット型に形態を変更。プラスチックの使用量を29%削減した。今年は30周年を機にさまざまな取り組みを実施している。パッケージの表には一番の特徴である「72時間以上、肉の旨みを引きだした」と、こだわりポイントのコピーを加えて、より消費者に熟成ウインナーのおいしさが伝わるよう他の商品との差別化を図った。販促活動においては近年、特にSNS発信に注力したこともあって、売上も好調。現在では同社のトップブランドとも言える存在までに成長している。 

中・大容量の需要が拡大ストックする消費者も

 商品ラインアップでは定番の90g入り2個パックのほか、306gと504g入りの3品が販売されている。
「売れ筋は2個パックですが、コロナ禍では接触を避ける傾向から買い置き需要もあり、306gと504g入りの売上が伸びました。冷凍ストックされるお客様もいるようで、弊社としては、開封後は早めにお召し上がりいただくことを推奨しておりますが、パッケージにも『冷凍保管もOK』との記載をしたことでお客様の購買動機に寄与したのではないかと考えています。近年は主要な購買者である主婦も働きに出られる方が増えましたので、買い置きしておいて何かの料理に使おうという意識もあるのでしょう。そこから中・大容量の市場規模は拡大してきましたが、やはり売上の数値では断然2個パックです」(奥山氏)。
 また、30周年キャンペーンと銘打ってはいないが、これらの燻製屋シリーズ商品を購入するとポイントが貯まり、そのポイントに応じてさまざまな景品がもらえる「ポイントフェス」も今年の6月から来年の2月まで実施を予定している。

(上の写真:『燻製屋 熟成あらびきポークウインナー』の中容量パック306g(左)と大容量パック504g(中)、3月から通年販売となった80g×2個パックの『レモン&パセリ』(右))

20、30代の世代へ向けてSNSを活用した情報発信にトライ

 ウインナーの購入動機は、朝食用や弁当のおかずが主だが、喫食機会をより広げてもらえるような取り組みもこれまでに行ってきた。
 「パンやご飯にも合うし、パスタと組み合わせてもおいしいのがウインナーという食品です。食事シーンにおいても朝や昼だけでなく、夕食や晩酌の酒肴にも使ってもらえる商品なので、弊社HPのブランドサイトのほか、XなどのSNS発信にも力を入れて、随時さまざまなアレンジレシピを提案しています。
 
 例えばポトフは、フランクフルトでなくても燻製屋熟成ウインナーでもおいしくできますし、豚バラ肉の代わりに燻製屋熟成ウインナーを入れたキャベツ煮込み鍋なども紹介してみると、たちまち人気レシピとなりました。さらにインパクトある提案としては、スナック菓子『うまい棒』をパンに見たてた『うまい棒ホットドッグ』や、SNS上では“背徳レシピ”と呼ばれていましたが(笑)、即席袋麺の『サッポロ一番塩らーめん』にウインナーを入れて牛乳でカルボナーラ風の味わいにするラーメンなども、かなりの反響をいただきました。燻製屋熟成ウインナーだからこそ染み出す旨みのある出汁や、味わいをいろいろな料理にうまく生かしてもらえれば、楽しみ方も今以上に広がっていきますし、喫食機会も増えていくのではと思っています」(奥山氏)。

(㈱ やおきんが販売している人気スナック菓子『うまい棒』とのコラボ企画で実現したアレンジレシピ「うまい棒ホットドッグ」。23年に某人気テレビ番組で放送されると「奇跡のジャストフィット」と大きな反響を呼んだ)。

(本文中の“斬新すぎる背徳アレンジ”がこれ。サンヨー食品㈱の袋ラーメン『サッポロ一番 塩らーめん』に燻製屋熟成ウインナーと牛乳、チーズ、卵などを加えたカルボナーラ風ラーメンは、丸大食品の公式「X」上でも大バズりし、その後には各種ネットメディアでも取り上げられた)


 ライフスタイルも食の好みも多様化している現在、さまざまなかたちで『熟成ウインナー』を楽しんでほしいとのこと。山本氏も「これまでウインナーと言えば、お子さん向けの弁当や朝食というイメージが強かったのですが、20、30代の方にもっと食べてもらうためにも、こうした提案は引き続き必要」と話す。
 「昨年、数量限定で発売した『熟成屋ウインナー レモン&パセリ』は、お客様からのご要望により、今年から通年販売となりました。まさに20、30代の若い世代を意識した商品でして、30周年に合わせてもう一度、燻製屋シリーズのおいしさって何だろうと消費者調査を行った上で発売しています。売れ行きも好調なので、今後の伸びに期待しているところです。また、弊社の今年の開発テーマは『おいしい笑顔は毎日を明るくする』です。弊社の製品をさまざまなライフスタイルの中で喫食いただき、『おいしいね』と食卓に笑顔か溢れ、毎日を明るい気分で過ごせるようなきっかけを弊社製品で作れればと考えています」

商品の持つポテンシャルをより多くの人に理解してもらう
 
 次の40周年に向けての展望や課題解決についても質問してみた。
 「調査したところ『熟成ウインナー』という言葉や概念自体が、まだ4割近くの方には『まったく知らない』との回答結果でして、一般の消費者に認知されていないことが分かりました。私どもが一番こだわっている部分ですから、そこをどこまで認知を広げていけるかが次の40周年に向けた課題と捉えています。熟成したウインナーだからこそ、こんな味わいや風味が楽しめるというものを訴求していくのはもちろん、よりおいしく食べてもらえる「熟焼」という調理方法も燻製屋シリーズ全パッケージに表示するようにしました。実食してもらえれば、そのおいしさや魅力も実感してもらえると思いますので、気軽に食体験をしてもらえるイベント企画の実施や、SNSなど情報発信には、今後さらに力を入れていきます」(山本氏)。
 過去数年、売上は伸長しているが、製品の持つポテンシャルからはまだまだ伸び代がある、と考えているそうだ。
 
 最後になったが、最もおいしく食べる燻製屋熟成ウインナーの調理法も聞いた。フライパンで炒める際に、油を敷く必要はなく、皮を弾けさせないために大さじ一杯の水を加えて、蒸し焼きにする「熟焼」という焼き方を丸大食品ではおすすめしているという。ちなみにレンジ調理の場合には、水も油も必要なし。読者の皆さんにも参考にしてほしい。


【堂上昌幸】


(冒頭の写真:燻製屋シリーズのブランドチーム)

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