トクホ許可、21年度16品目
前年度から倍増も依然低調 ピーク時140品目
消費者庁が2021年度(21年4月~22年3月)に許可した特定保健食品(トクホ)は累計で16品目にとどまった。前の年度の8品目から倍増したものの、16品目のうち8品目は、既許可品に対して軽微な変更を行った再許可品。機能性表示食品制度が施行された15年度以降、申請品目数の減少が続いている。
ピークの07年度には143品目が許可されていた。15年度でも104品目の許可件数があったが、以降、急速に落ち込んだ。21年度末時点の総許可件数は1,069件。対して機能性表示食品は、これまでに累計で5,278件(11日時点)の届出がある。
トクホをめぐっては2020年、表示に関する公正競争規約が施行。公正取引協議会も設立された。これを追い風にした申請品目数の増加も期待されていたが、21年度の許可品目数は20に及ばず、引き続き低調だった。今のところ推進力を生み出せていない。
JHNFAが消費者庁に要望書
トクホ制度は21年度、施行から30周年を迎えた。
それに合わせて(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA、矢島鉄也理事長)は今年3月、「トクホを中心とした保健機能食品制度の発展に向けた要望」を取りまとめ、制度を所管する消費者庁の伊藤明子長官に提出。トクホと機能性表示食品の「位置づけ」の明確化を要請したほか、機能性表示食品の広告等における「切り出し表示」について、「トクホとして許可された商品よりも効果が高いかのような訴求内容になっている例がある」などと指摘。トクホの表現と整合性を図ることなどを求めた。
JHNFAはまた、機能性表示食品について、機能性の領域ごとに「ヘルスクレームの表現の仕方を国で決めていただきたい」などとも要望した。「事業者の予見性と届出の迅速化に寄与すると考える」としている。
【石川太郎】