タウリン摂取が筋力維持に良い影響か 大正製薬、毎日の食事から摂取されるタウリンに着目
大正製薬㈱(東京都豊島区、上原茂社長)はこのほど、食事からのタウリン摂取量が多いと、8年後の脚の筋力(膝伸展筋力)が維持される傾向にあることを見出したと発表した。国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(長寿医療研究センター)と北翔大学との共同研究によるもので、食品科学と栄養学に関する国際的な科学オンラインジャーナルである「Frontiers in Nutrition」に論文を発表した。
同社はこれまでも、毎日の食事から摂取されるタウリンに着目し、筋力維持への寄与に関する研究、食事におけるタウリン摂取の疫学的な研究を実施してきた。今回の論文は、それらの研究成果をまとめたもの。
長寿医療研究センターが保有するデータを解析した同研究では、40歳以上を対象に8年間の体力変化とタウリン推定摂取量の関係を評価したところ、タウリン推定摂取量が多い人ほど膝伸展筋力を維持していることが分かった。また、65歳以上では、タウリン推定摂取量が多い人ほど膝伸展筋力の低下を抑制する傾向が認められたという。タウリンの摂取は中高年者の脚の筋力の維持につながる可能性が示唆されたとしている。
また、同データを用いて日本人の中高年者(40歳以上の男女)の食事からのタウリン摂取量の年次推移を推定したところ、約80%は魚介類から摂取されていることが分かった。近年の魚介類摂取量の低下によって、タウリン摂取量も低下傾向を示し、8年間で約2割減少していたという。
同社では、同研究により魚介類の摂取などによりタウリンを摂取することが筋力維持に良い影響を与える可能性が示唆されたことから、タウリンを含む栄養バランスの良い食生活を継続することが、健康寿命の延伸に重要と考えられるとしている。