サビンサ、顧客ら招き学術セミナー Sabinsa On Wheels、7年半ぶりに日本で開催
インドを拠点に植物抽出物やプロバイオティクスなどのヘルスケア製品を製造販売するサミ・サビンサグループの日本法人、㈱サビンサジャパンコーポレーション(東京都豊島区、佐次本英行社長)は19日、健康食品の販売会社や受託製造企業など取引先の関係者ら約80人を招き、日本で販売中の製品を中心に学術情報を伝えるセミナーを「シャングリ・ラ ホテル東京」(東京都千代田区)で開催した。
この招待制のセミナーは、「Sabinsa On Wheels(SOW)」と名付け、北米、欧州、中南米、アジア、オセアニア、アフリカなど、世界各地に置かれているグループの現地法人主催で定期的に催しているもの。日本での開催は今回が4回目に当たる。前回は同じ場所で2016年10月に開催。新型コロナ禍で延期を余儀なくされたため間が空いていた。
講師に国内外から5人の研究者ら
サビンサジャパンは、およそ7年半ぶりとなる日本でのSOWに、国内外から5人の研究者らを講師として招聘。国内からは、ウコンに含まれるクルクミノイド(クルクミン)に着目した機能性ドリンクの研究開発に携わったことで知られる渡邉泰雄・横浜薬科大学総合健康メディカルセンター代表と、日本アーユルヴェーダ学会理事長を務める医師の北西剛氏の2人。
海外からは、グループ全体で120人超を抱える博士号を取得している研究開発者のうち、研究開発責任者や科学分野担当役員を含む3人を迎えて、主力製品のクルクミノイド高含有ウコン抽出物「C3コンプレックス」やプロバイオティクスの「ラクトスポア」などから、現在のところ日本未発売の新製品「ラクトクラン」まで、安全性や機能性に関する科学的根拠などの学術情報を、途中で休憩や昼食を挟みながら延べ6時間以上にわたり紹介した。
この日、学術情報を伝えた製品は他に、果実のガルシニアインディカを原材料にした「リヴィノール」や「リブロンガ」をはじめ、ソリザヤノキに含まれるオロキシリンAを規格成分にした脳機能対応素材の「サブロキシー」、ブラッククミンの種に由来するチモキノンを5%以上含有する「ナイジェリン」、アムラ果実の水抽出物「サベリ―」、小麦ふすま発酵エキス末「ダイジェザイム」など10製品近く。製品そのものの有効性を検証した臨床試験から、製品に含まれる有効成分(規格成分)に関する基礎研究の研究まで、原則として論文に基づく学術情報を参加した顧客らに伝えた。
セミナーの冒頭、設立から今年で36年目を迎えたサビンサジャパンの担当者がグループの特長を紹介。世界で1,000人を超える従業員、博士号を取得した120人以上の研究開発人材、インドと米国に合わせて8つの製造拠点や研究開発センターを抱えながら、知的財産戦略を組み入れたヘルスケア事業をグローバルに展開していることが強みだと伝えた。これまでに450以上の特許、900を超える商標を取得しているという。
また、近年では、持続可能性にも重きを置いていて、グループ全体で「環境に優しく、クリーンで、かつ健康的な世界の実現や、環境・農家・コミュニティへの貢献を目指している」と語った。
【石川太郎】
(冒頭の写真:約7年半ぶりに日本で開催されたSOWの様子。下の写真:左からサビンサジャパンの佐次本社長、インドから来日して講演したサビンサ社ヴァイスプレジデント(科学分野担当のアヌラーグ・パンデ氏、横浜薬科大学総合健康メディカルセンターの渡邉代表)
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