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クレベリン置き型2商品も根拠なし
15日、消費者庁が大幸薬品に措置命令

 東京高等裁判所が、『クレベリン置き型』2商品(60g・150g)に対する「措置命令の仮の差し止めの認容」を拒否したことを受けて消費者庁は15日、同品を販売する大幸薬品㈱(大阪府吹田市、柴田高社長)に対して措置命令を下した。

 同社は、2018年9月13日~19年1月20日にかけて、商品パッケージ・自社ウェブサイト・YouTube動画広告・テレビCMなどの表示媒体で、置き型2商品をリビングなどの室内に設置することにより、空間に浮遊するウイルスや菌が除去または除菌される効果が得られるかのような表示を行っていた。

東京高裁が地裁の決定を覆す

 消費者庁は今年1月20日、同社が販売する『クレベリン スティック ペンタイプ』(携帯型)、『クレベリン スティック フックタイプ』(掛け型)、『クレベリン スプレー』、『クレベリン ミニスプレー』の4商品に対して措置命令を出している。
今回措置命令の対象となった置き型2品についても他の4商品同様、調査を進めていたが、大幸薬品による「措置命令の仮の差止請求」を東京地方裁判所が認めたために執行が見送られていた。消費者庁は1月20日に即時抗告していたが、東京高裁が4月13日に同庁の訴えを容れて地裁の決定を覆したため、これを受けるかたちで15日、置き型2品についても合理的な根拠がないことを理由に措置命令を行った。

不当表示の改善などを命じる

 大幸薬品に対して消費者庁は、①表示の裏付けとなる合理的な根拠をあらかじめ有することなく表示している行為を速やかに取りやめること、②対象商品に関する表示に関して、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること、③再発防止策を講じ、自社の役員および従業員に周知徹底すること、④今後、表示の裏付けとなる合理的な根拠をあらかじめ有することなく、同様の表示を行わないこと――を命じている。

 15日に消費者庁で開かれた記者会見で表示対策課の松風宏幸調査官は、「今もいくつかの表示については大幸薬品の方で行われている」とし、表示の中止を求めた。

 大幸薬品の広報部によれば、テレビCMは昨年3月以降は取りやめ、YouTube動画も3月上旬に削除しているという。また、今回の措置命令については「内容を精査した上で適切な対応を検討する」としている。
また同社が昨年12月14日に東京地裁に提起した「措置命令の差し止め訴訟」は、今回、措置命令が行われたために取り下げられることになる。

【田代 宏】

(冒頭の写真:右端・松風宏幸上席景品・表示調査官)

※YouTube動画:記者会見のようす

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