オリザ油化、米ぬかから新規成分発見 アシルグルコシルセラミドを単離、化学構造も確認
オリザ油化㈱(愛知県一宮市、村井弘道社長)と近畿大学薬学総合研究所の森川敏生教授が米ぬかから新規成分を発見し、22日、発表した。
グルコシルセラミドに脂肪酸が結合したアシルグルコシルセラミドを3種類単離し、化学構造を明らかにしたという。
同社で製造販売する米ぬか由来の機能性素材(機能性表示食品対応素材)「オリザセラミド」の研究開発を進めるなかで見出した。
発表によると、植物からアシルグルコシルセラミドが発見されたのは今回が国内外で初めて。発見したのは、グルコシルセラミドに脂肪酸のパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸が結合した3種類で、米の学名「Oryza Sativa」にちなみ、「Oryzaceramide A」、「同B」、「同C」とそれぞれ名付けた。特許も出願した。
「オリザセラミド」は同社の主力製品の1つ。今後、今回発見できた各アシルグルコシルセラミドにどのような機能性があるのか検証し、新たな知見を得たい考え。
セラミド研究会でYoung Investigator Award受賞
米ぬかからアシルグルコセラミドを発見した研究で、オリザ油化研究開発本部の竹田翔伍氏(新商品開発部課長代理)が、セラミド研究者が参画する「セラミド研究会」(木原章雄会長=北海道大学大学院薬学研究院教授)から「Young Investigator Award」を贈られた。
今月15日から17日まで石川県で開催された「第16回セラミド研究会学術集会/第17回スフィンゴテラピィ研究会合同年会」で受賞し、オリザ油化が22日、伝えた。40歳以下の研究者のうち優れた研究を発表した研究者に贈呈されるものだという。
今回の学術集会で竹田氏は、「米由来新規アシル化グルコシルセラミドの化学構造および表皮保湿作用」の演題で森川教授らとの共同研究成果を発表。この発表で同賞を受賞した。
【石川太郎】
(下の画像:オリザ油化らが米ぬかから発見した新規成分の化学構造。同社報道発表資料から)
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