オメガ3サプリの摂取超過は心臓に負担?~アメリカ
(国研)医薬基盤・健康・栄養研究所(東京都新宿区)の研究連携推進室はこのほど、世界の最新健康・栄養ニュース「LINK de DIET」で、サプリメントによるオメガ3(n-3)系脂肪酸の摂取量が1日1g以上の人は、それ以下の人に比べて心房細動を発症するリスクが増大することが明らかになったとする米・シュミット心臓研究所の発表を伝えた。n-3系脂肪酸の最善の摂取法は週に数回、魚を食べることだという。
2012年の米国全国健康面談調査(NHIS)によると、米国の成人の7.8%、約1,900万人が魚油サプリメントを摂取していると推定されている。
しかしn-3系脂肪酸について、サプリメントによる摂取が心房細動を発症するリスクを高めるとする研究例と、それに反する研究例が混在しているため、今回、シュミット研究所のアルバート教授らは複数の研究例を統合して解析することとした。
7つの研究とその参加者8万1,000人以上のデータを精査した結果、心房細動を発症するリスクはn-3脂肪酸の摂取量に依存することが示唆された。心房細動発症率は、サプリメントから摂取したn-3系脂肪酸が1日1g以下の人の心房細動発症率(12%)に比べ、1日1g以上の人では49%増加していたという。
アルバート教授は、医師が高用量のn-3系サプリメントを処方する場合には、まず患者と心房細動の発症リスクについて話し合うべきとし、「心房細動を発症するリスクは、1日に1g以下の魚油を摂取している方においては比較的小さいようだ。1日に1g以上の魚油摂取は、医師に勧められた場合にのみ行うべき」などと述べている。
出典は『循環器』
(以上、「LINK de DIET」より)