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エビデンス入門(51) 主観的評価指標評価での留意点

関西福祉科学大学 健康福祉学部 福祉栄養学科講師 竹田 竜嗣

 機能性表示食品の届出に関する科学的根拠では、主観的評価指標のみによる評価も認められている。ただし、用いる主観的評価指標は、日本人での妥当性が証明されている方法や一般的なコンセンサスを得た手法とされている。

 今回は、主観的評価指標を使う上での留意点について解説する。主観的評価指標がアウトカムとなっている機能性表示食品は、主として「疲労」や「睡眠」といった分野でのヘルスクレームが多い。疲労は、VAS法による疲労感の評価や気分プロフィールに関わる調査票としてPOMSなどを用いている。

 また、睡眠の評価では、OSA睡眠調査票などの起床時において睡眠の状態について記載する調査票が用いられている。これらは、各分野の専門学会で作成され、評価の妥当性について検証されており、さらに原文が英語であっても日本語版を作成し、それらの結果についても妥当性が確認されているため、ガイドラインを満たしていると考えられる。

 このほかにも、研究実施者が、自ら質問を設定して、主観を評価するような項目を設けることも実際の臨床試験でも行われると想定される。その場合、研究者のオリジナルの質問も盛り込んだ研究を実施したい場合もあると考えられる。その際は、評価の方法が妥当性を持っているかに焦点が当てられる。

 例えば、VAS法は、10cmの線分の両端に全く逆の主観を記載し、現状の状態を測定する方法として妥当性が取れている。このことから、VAS法による主観の評価は、比較的よく用いられる手法だ。

 また、リッカート尺度と呼ばれる手法も心理学などの分野で比較的よく知られた手法であり、1つの質問の回答に際し、通常5段階の選択肢を設定し、3段階目を「どちらでもない」として、1および5を極端に偏った意見とし、2および4をやや偏った意見として回答を設定することで、2者択一の質問に対して、各意見の同意程度を測ることが可能だ。満足感を評価する場合に、選択肢を「とても満足」、「やや満足」、「どちらとも言えない」、「やや不満」、「とても不満」のように設定し、満足度が一番高い状態(とても満足)を5点、不満度が多い状態(とても不満)を1点とすることで、スコア化も可能であり、統計処理も実施できる。

 このように、主観的指標をアウトカムとして設定する場合は、質問方法や評価方法に対してバリデーションを実施するか、バリデーションや日本人での評価例が存在する評価指標を選択する必要がある。
 ただし、機能性表示食品として届出する場合は、質問項目が健康増進などの内容に留まっているか、作用機序から明確であるかなど、他にも留意すべき点があるので、臨床試験の実施の際には、評価方法だけでなく質問項目が機能性表示食品のヘルスクレームとして妥当かも検討しなければならない。

(つづく)

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