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アンチ・ドーピング製品市場が拡大

2020東京五輪に照準を合わせて、健康食品業・医薬品界内ではスポーツサプリメントを企画開発する動きが活発化。販売各社の意欲が高まる一方で、これまでドーピングが認定されても泣き寝入りしてきた選手側が、製品の販売企業を相手に訴訟を起こすといった動きも出てきた。

 相次ぐトップアスリートのドーピング事件を受けて、アンチ・ドーピング対応のサプリメントへの関心が高まっている。楽天広報によると、今年1~9月に「アンチ・ドーピング」というキーワードの入った商品アイテム数が急増しているという。

 ウェブサイト上での企業発アンチ・ドーピング情報の発信も活発化しているようだ。アマゾンでは、アンチ・ドーピング対応の商品数に大きな増減はないが、「メーカーによっては、ページ上で説明やコミュニケーションを強化している」(広報)と説明する。

 アンチ・ドーピング認証を取得する企業も増加してきた。(公財)日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の旧サプリメント分析認証プログラムを利用していた大手各社では、4月に策定された「スポーツサプリメントの製品情報公開の枠組みに関するガイドライン」に則って、情報公開する方向にある。

 また、「世界から遅れを取っているスポーツニュートリションの安全性確保のため、工場そのものを認証するかどうか検討している外製先も今後増えていくことが考えられる」(某大手メーカー)という見方があるように、日本国内の製造現場では、スポーツニュートリションの製造に対して専用の対応が必須とされている。

 10月8日、WADA禁止薬物のアセタゾラミドが混入した胃腸薬の摂取により、ドーピング違反とされ、競技成績が失効されたレスリンググレコローマンスタイルの選手が、製薬メーカー2社に対して、合計6,039万円の損害賠償請求訴訟を起こした。

 今後はサプリメント・健康食品についても泣き寝入りせずに、企業を提訴する選手が増えると予想される。スポーツニュートリションの各メーカーには、通常のサプリメントの製造とは異なる高次元の製造・品質管理が要求される。

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