1. HOME
  2. 健康食品
  3. アリメント、製品開発を顧客と共に 新研究棟「イノベーション・ラボ」を来春稼働へ

アリメント、製品開発を顧客と共に 新研究棟「イノベーション・ラボ」を来春稼働へ

 サプリメント・健康食品受託製造大手のアリメント工業㈱(山梨県南巨摩郡、若尾修司社長)が新たな研究棟を年末までに竣工させる。生産拠点(新富士工場)に隣接するR&Dセンター(静岡県富士市)の敷地内に建設を進めているもので、製品開発の初期段階にあたる少量試作や品質評価などを顧客と二人三脚で進める研究ラボとして運用する。来春ごろを目途に本格稼働させる予定だ。

 新研究棟の名称は、「イノベーション・ラボ」に決定した。既存の研究棟と違い、顧客を施設内に招き入れることを前提に設計。施設内には、流動層造粒機や攪拌造粒機、コーティング機などの各種小型生産機器を導入する。また、X線CT顕微鏡や画像式粒子解析装置などの分析・評価機器を用いた解析も行えるようにする。ソフト・ハードカプセル、錠剤、顆粒といった各種剤型の製品を「お客様と一緒になって、最初の1粒から試作できるようにする」(下川義之R&Dセンター長)。

 受託開発・製造企業におけるサプリメントや健康食品の製品試作は一般的に、顧客の要望をヒアリングした上で、要望に合わせて設計したサンプル品を製作するプレ試作を行う。それに問題がなければ、大量生産が可能かどうか検証するためのスケールアップ試作に移り、その後は工場の実機を使ったコマーシャルスケールでの試作に進む。新研究棟のイノベーション・ラボでは、最初のプレ試作を顧客と二人三脚で行えるようにする。「お客様の製品を作る現場を見学してもらうことはこれまでもやってきた。そうではなく、我われと一緒に手を動かしながら、ものづくりに参加していただけるようにしたい」(同)という。

 既存の研究棟は、「どちらかと言えば、スケールアップ試作を行うのに適した設備が揃っている」(同)。それに対して新研究棟には、10gや100gスケールの、より少量のサンプル製作に適した各種の小型機器を導入し、顧客企業の研究開発担当者なども操作できるようにする。「新しい考え方やコンセプトを反映させた製品をお客様と議論しながら一緒に作り、健康食品にイノベーションを起こすことを目指したい」(同)。

 R&Dセンターの人員は現在約40人にまで増えている。専門知識を持つ人材の中途、新卒採用を積極的に進めている。グミ様ソフトカプセルや崩壊遅延防止ソフトカプセルなど、独自の製剤技術も相次ぎ生み出している。国内外から新規顧客を取り込むことも狙い、「研究開発」、その成果を踏まえた「製造技術」の領域で独自色を打ち出そうとしている。

【石川太郎】

(文中の画像:新研究棟「イノベーション・ラボ」の完成イメージ。アリメント工業R&Dセンター提供)

〇アリメント工業関連記事
製剤技術を通じて消費者に寄り添う グミ様カプセルを新たに開発
微粒子コーティング、サプリに応用 苦味ある素材を美味しく摂取

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ