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めざす会「ヘンプ」テーマに勉強会 改正大麻取締法がもたらす「ヘンプ」有効利用の取り組み

 75年ぶりの大麻取締法の改正を前に、大麻の有効利用に向けた取り組みが各所で行われている。めざす会は23日、10回目となるオンライン勉強会で、産業用大麻(ヘンプ)活用に向けて考えた。業界関係者など75人が視聴した。

 講師に迎えたのは、(一社)麻産業創造開発機構事務局長の亀石克美氏と、(一社)北海道ヘンプ協会代表理事の菊地治己氏の2人。

 亀石氏は、一昨年から厚生労働省が検討を続けてきた改正大麻取締法をめぐる動きを紹介するとともに、ヘンプの適切な利用の推進に向けた同開発機構発足の経緯について説明した。

 現行法では、大麻草の樹脂を除く成熟した茎と種子以外の部位は取り締まりの対象とされていたが、改正法では国際的な潮流に合わせて「部位による規制」ではなく、「成分による規制」を行うことになる。大麻成分のなかでも有害作用の強いTHCに比べてCBDは幻覚作用などを引き起こす有害性がないために、THC含有の上限値を決めることで規制の見直しを行う方向で検討が進められている。同氏は、一口に大麻と言っても、産業用に用いられるものをヘンプと呼び、ドラッグとして用いられるマリファナとは異なると説明。欧米ではこのような区別が定着していると述べた。

 医療用と健康食品分野でヘンプがどのように利用されているのか、また今後、利用されるのか、海外の動向を交えながら、将来の可能性について詳しく紹介した。

 日本では稲作以前、すでに1万年以上前から利用されていた大麻。神事・祭事・武道・食品、さらには農業としても定着していたにもかかわらず、現行の大麻取締役法において大麻栽培者は都道府県別に免許が必要とされており、その上自治体によって温度差がある。このような状況を背景に、大麻栽培者は激減し、2020年時点で栽培免許取得者は30人、栽培地は7haにまで縮小。21年には27人にまで減少した。

 菊地氏は、海外におけるヘンプの規制改革を紹介。1948年に施行された大麻取締法を「時代遅れ」とし、法改正にともなうヘンプ産業の復活に期待。
 ヘンプの大規模栽培がもたらす環境問題へのアプローチなどについて熱く語った。ヘンプを北海道の基幹作物にすべく、栽培農地2万haを目指して活動している現状を説明した。同協会の会員110人が、一般への普及啓発、議会や行政への要請活動とともに、大麻取扱者免許の取得支援、研究開発支援、海外の先進地の視察などに取り組んでいるという。

【田代 宏】

(左から)講演する亀石克美氏と菊地治己氏

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