合理的な根拠なく、摂取するだけで容易に著しい痩身効果が得られるかのように広告表示していたのは景品表示法違反（優良誤認）に当たるとして、消費者庁は5日、インターネット広告事業を手掛ける㈱W‐ENDLESS（大阪市西区、菅原隆太郎社長）に対し、再発防止などを求める措置命令を行い、発表した。

　2022年度に入ってから初の措置命令。W社がネット通販で販売していた、『Dr.味噌汁』を商品名とする粉末味噌加工食品の広告表示に優良誤認を認定した。

　同庁の発表によると、W社は2020年11月20日～12月28日にかけ、自社で運営するウェブサイトで同食品について、「★無理な食事制限ナシ★　★辛（つら）い運動ナシ★　それだけ？　と思いますよね。それだけなんです！」などと記載することで、この味噌汁を摂取するだけで容易に著しい痩身効果が得られるかのように表示していたという。

　同庁は、不実証広告規制に基づき、表示を裏付ける根拠資料を提出するようW社に要求。同社は期日までに資料を提出したが、合理的な根拠に当たらないと一蹴した。同庁表示対策課によると、同社が提出したのは、このお味噌汁に配合された成分に整腸機能などがあることを示す資料だった。

昨年9月に事業を譲渡

　表示対策課の調べによると、Ｗ社が『Dr.味噌汁』の販売を始めたのは2020年6月。その約半年後の段階で「ビューティアワードランキング　５冠達成　《満足度／期待度／お得度／信頼度／オススメ度　※2020年　ダイエットドリンク部門》などと表示していた。

　一方、Ｗ社は昨年9月、『Dr.味噌汁』に関する事業を他社に譲渡。そのため同庁は今回、Ｗ社に対し、現時点で販売していない商品について優良誤認表示を行っていた旨の周知徹底を求めたことになる。「この商品についてまだ誤認している消費者がいると思われる。（Ｗ社には）そうした消費者に対する誤認の解除が求められる」（表示対策課）としている。

(冒頭の画像：今回の措置命令の対象商品となったDr.味噌汁のパッケージ。「Dr.」はドクターではなくディー・アール・ドットと読むという)

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