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【Youtube】消費者庁、消費者教育のためのデジタル分科会開催

 消費者庁は1月29日、第3回「社会のデジタル化に対応した消費者教育に関する分科会」を開催した。議題は「生活者のメディア環境と情報意識」、「消費者被害防止サポーターの啓発活動」、「シニアのICTリテラシー向上啓発プロジェクト」、「これまでの議論の論点整理」の4点。
 順番に、㈱博報堂テクノロジーR&Dセンター(以下、博報堂)、(特非)埼玉消費者被害をなくす会、(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(以下、NACS)が報告した後、提言に向けた論点整理を行った。

消費者教育推進会議の分科会
 同会は、2014年に制定された「消費者教育の推進に関する法律」に基づいて設置された消費者教育推進会議(以下、推進会議)のなかの分科会の1つ。推進会議は、消費者教育を効果的に推進するに当たり、委員相互の情報の交換と調整を行うことが仕事。
 消費者、事業者、教育関係者、消費者団体、事業者団体、その他の関係団体代表者、学識経験者、行政機関の職員などの幅広い人材で構成している。
 
 同分科会では、デジタル化に対応した消費者教育について、消費者トラブルにおける問題解決の仕方、被害防止策などについて、どのような仕組みづくりが必要で、どのように啓発していくのがより効果的かなどを議論し、推進会議への報告書としてまとめる作業を行っている。

行政の情報は一方通行
 博報堂からは、生活者のメディア接触時間の変化について報告された。過去10年間でテレビを見る時間が約2割減少しているのに対し、スマホを見る時間は約5倍に伸びている。全ての世代でスマホに接触する時間が伸びている一方、「情報が信頼できるメディア」については、スマホよりテレビの比率が高いという。
 以上の調査を踏まえて博報堂は、「行政の情報は一方通行」と指摘し、言いたいことだけを伝えるという看板のような情報提供のあり方は古く、情報を投げかけて反応を受け止めるという双方向の情報のあり方が有効だと述べた。「インスタグラム」、「YouTube」、「フェイスブック」、「ツイッター」などのメディアの特長を活かし、いろいろな切り口で情報接触機会を増やし、積み上げることが大切だと説明した。

「かわらばん」「カルタ」「寸劇」で啓発
 埼玉消費者被害をなくす会は2016年から、消費者被害防止サポーターによる啓発活動を行っている。県内で登録しているサポーターは938人。行政担当課や市町村との連携を図りながら、消費者庁や国民生活センターの情報を「かわらばん」、「カルタ」、「寸劇」、「ゲーム」などに盛り込んだ啓発活動を展開しているという。
 研修では、「だまされる人の心理」、「キャッシュレス社会の広がりと電子マネー決済の注意点」、「社会福祉協議会や消費生活センターの役割」などについて学びの場を提供してきた。
 サポーター養成講座は19年までに50回開催し、20年は4回開催して3回が終了している。地域別にフォローアップ研修も行っているという。

YouTubeチャンネルを創設 
 NACSでは、「シニアのICTリテラシー向上啓発プロジェクト」を18年にスタートした。これは、全国のシニアにがインターネットを安全に楽しく利用できる教材と、人材(ICTリーダー)の育成を行うためのプロジェクト。
 コロナ禍に見舞われた20年度は、シニアが集まらないで学び合うことのできる教材の開発と提供を目指し、「NACS公式YouTubeチャンネル」を開設、ユニークな登場人物による動画を配信している。例えば、インターネットでの代金の支払い方法について、シニアである主人公のNACSすみれさんがイラストで登場し、インターネットでの取引にトライする。振込・コンビニ払い・電子マネー・キャリア決済・仮想通貨などの支払方法について学び、いよいよ公式サイトで在庫切れの人気商品を購入するために振り込もうとしたとき、「ちょっと待った君」が出てきて注意する。そういえば、会社の名前は「サギカンパニー」で口座名義は「モチニゲコ」だったと気付く。
 NACSチャンネルではほかにも、マスクの選び方や食品ロス削減など新しい生活様式に関する情報も提供している。

従来の教育とデジタル教育の差別化求める声多数
 消費者庁は、報告書の取りまとめに向けた論点として「消費者はどのような内容を身に付けることが望ましいか」、「デジタル化に対応した消費者教育について、どのような主体によりどのような取り組みが実施されているか」、「幼児期から高齢者までの幅広い消費者にデジタル化に対応した消費者教育を届ける上での課題と国として必要な対応」の大きく3点を提起した。
 これに対して委員からは、「国として必要な対応というのではなく、消費者庁としてどうするのか?また消費者庁が他の省庁に対して何をしてほしいかを明確にすべき」、「デジタルに対する消費者教育は、従来の消費者教育とどう違うのかを明確に打ち出すべき」、「具体性に欠ける」などの厳しい指摘が行われた。

 消費者庁は今後、2回の分科会を経て年度内に報告書を取りまとめる。次回の開催は、2月24日を予定しており、「各世代の特性などを踏まえた情報発信の場や手法」について、外部の有識者のヒアリングを行う。

【田代 宏】

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