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【特集】改正特商法~不正ができない仕組みの必要性を提唱(後)

<アフィリエイト広告検討会が発足>

――さらなる業界の健全化に向けて、期待していますか?

加藤 結論から言うと、これにもとても期待しています。アフィリエイターは「自分の感想・意見を書いただけ」と言い、広告主は「アフィリエイターが勝手にやった」などと逃げ道が放置されてきたのが現状です。また、世の中に数万ともいわれるアフィリエイト広告があるなか、管理するASPがその1つひとつを常に監視するなど、そもそも限界があります。そのため、そこにメスを入れ、アフィリエイト広告であれ、自社出稿の広告であれ、全ての広告が広告主に責任があるというルールにするのであれば大いに期待できます。
大半の企業がコンプライアンスを重視し、自社の責任で全ての広告表現を管理し、ルールを逸脱したものは出稿させないとなれば、広告の健全化につながる効果はあると思います。

――完全に健全な広告だけになるでしょうか?

加藤 ある一定の効果はあると思いますが、完全には無理だと思います。不可抗力というのは必ず出てくると思います。広告主側がコンプライアンスを重視し、違反広告は一切NGとしても、それでもアフィリエイターが勝手にやってしまうケースはありますので、100%違反広告を防ぐことは無理です。そのため、違反広告を出した広告主は全てNGとして取り締まってしまうと、真面目に広告運用している広告主が、ある日突然、違反したとして処分を受ける可能性が出てきます。

――完全に違反広告をなくすにはどうすれば良いと思いますか?

加藤 簡単な方法は1つしかありません。アフィリエイト広告をやめることです。実際、当社のクライアントである大手通販企業のうち何社かは、アフィリエイト広告による不正広告のリスクを完全にゼロにするため、アフィリエイト広告を完全にやめました。今回のアフィリエイト広告検討会も、不正な広告を限りなくゼロに近づけるためというのであれば可能性はありますが、完全にゼロにするための検討会であれば、それは机上の空論です。
1社につき関係しているアフィリエイターは、大小合わせて何百人と存在しますので、アフィリエイターに依頼する限り、完全にリスクをなくすことはできません。

――アフィリエイト広告に期待する通販会社はどうすれば良いでしょうか?

加藤 正しく運用すれば、アフィリエイト広告が有効な集客手法の1つになることは否定しません。そのため、多くの通販会社がアフィリエイト広告を使っているのも現状です。リスクをなくすために、アフィリエイト広告をやめる以外にもう1つ方法を上げるとするならば、行政からの指摘があった際に、完全に自社が関与していないことを文書で証明する術を持つことです。
実際、ある中規模の通販会社では、アフィリエイターに向けて何十種類もの禁止ワードを書面にして送っています。また、正しい広告表現を行うための独自のマニュアルを作り、全てのアフィリエイターに周知徹底させています。ASPを介する場合は、ASP事業者に依頼しアフィリエイターに通達してもらい、そのルールに従ってもらえないアフィリエイターには、広告出稿を許可しないという徹底ぶりです。こうすることで、アフィリエイターの違反広告による、広告主のリスクを回避しているというわけです。

――アフィリエイト広告の仕組みに問題がある?

加藤 そもそも、広告主とは別のドメインで記事広告が出稿できる、今の仕組みに問題があると思っています。広告はすべて販売会社のドメインで行う、それ以外のドメインによる広告は、媒体社側が出稿を拒否するなどの対策を取るべきだと考えています。
アフィリエイターへの注意喚起や、ASPによるチェック、広告主による管理体制だけでは限界がありますので、媒体社を含めた販売に関わるすべてを巻き込んだ、根本的な仕組みづくりが急務だと思います。健全な市場発展のため、法改正も重要ですが、携わるすべての事業者が、消費者が安心して利用できる市場をつくるという意識が必要だと思いますので、通販会社を支援する立場として、精いっぱいお手伝いしたいと思います。

――ありがとうございました。

<COMPANY INFORMATION>
所在地
・福岡市早良区百道浜2-3-8 RKB放送会館 4階(福岡オフィス)
TEL:092-834-5520
・東京都港区西新橋3-24-10ハリファックス御成門ビル9階(東京オフィス)
TEL:03-6459-0562
問い合わせ:https://www.ureru.co.jp/contact/
URL:https://www.ureru.co.jp
事業内容:ネット通販のネット広告に関するクラウドサービス、コンサルティングの提供

【聞き手・文:藤田 勇一】

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