「一からわかる!化粧品広告規制」~基礎編(中)
今村行政書士事務所所長(化粧品薬事コンサルタント・MBA)
今村 彰啓 氏
第2回:化粧品の効能効果の範囲
<化粧品が謳えるのは56項目>
今回は、化粧品が表現できる効能効果の範囲について説明する。化粧品の効能効果は、以下の56項目が設定されている。
(1)頭皮、毛髪を清浄にする。(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。(4)毛髪にはり、こしを与える。(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。(7)毛髪をしなやかにする。(8)クシどおりをよくする。(9)毛髪のつやを保つ。(10)毛髪につやを与える。(11)フケ、カユミがとれる。(12)フケ、カユミを抑える。(13)毛髪の水分、油分を補い保つ。(14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。(15)髪型を整え、保持する。
(16)毛髪の帯電を防止する。(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。(19)肌を整える。(20)肌のキメを整える。(21)皮膚をすこやかに保つ。(22)肌荒れを防ぐ。(23)肌をひきしめる。(24)皮膚にうるおいを与える。(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。(26)皮膚の柔軟性を保つ。(27)皮膚を保護する。(28)皮膚の乾燥を防ぐ。(29)肌を柔らげる。(30)肌にはりを与える。
(31)肌にツヤを与える。(32)肌を滑らかにする。(33)ひげを剃りやすくする。(34)ひげそり後の肌を整える。(35)あせもを防ぐ(打粉)。(36)日やけを防ぐ。(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。(38)芳香を与える。(39)爪を保護する。(40)爪をすこやかに保つ。(41)爪にうるおいを与える。(42)口唇の荒れを防ぐ。(43)口唇のキメを整える。(44)口唇にうるおいを与える。(45)口唇をすこやかにする。
(46)口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。(47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。(48)口唇を滑らかにする。(49)ムシ歯を防ぐ。※(50)歯を白くする。※(51)歯垢を除去する。※(52)口中を浄化する(歯みがき類)。(53)口臭を防ぐ(歯みがき類)。(54)歯のやにを取る。※(55)歯石の沈着を防ぐ。※(56)乾燥による小ジワを目立たなくする。 ※は使用時にブラッシングを行う歯みがき類
<「乾燥による小ジワを目立たなくする」の追加>
56項目以外の表現の“たるみの改善”“くすみの改善”などは、効能効果の範囲の逸脱となる。
このなかで特筆すべき点は、2011年7月に新たに追加された“乾燥による小ジワを目立たなくする”という表現である。化粧品でも小ジワの改善をうたうことができるようになった。ただし、この表現は、日本香粧品学会の「化粧品機能評価法ガイドライン」の「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」に基づく試験を行い、効果が確認された製品にのみで標ぼうできる。
また、医薬部外品と同等の効能効果としては、注釈は付くものの、以下を挙げることができる。
・日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
・フケ、カユミを抑える。
・(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ。(洗顔料)
・ムシ歯を防ぐ。(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)
・歯石の沈着を防ぐ。(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)
(つづく)