1. HOME
  2. 特集
  3. 龍泉堂、「NEXT-Ⅱ」なぜ開発  【コラーゲン特集】リスクヘッジと市場拡大、同時に狙う

龍泉堂、「NEXT-Ⅱ」なぜ開発  【コラーゲン特集】リスクヘッジと市場拡大、同時に狙う

 サプリメントの原材料販売を手がける龍泉堂㈱(東京都豊島区、塩島由晃社長)が非変性Ⅱ型コラーゲンの製品ラインアップを増やした。開発を進めていた新製品を昨年上市。既存品との併売を推進する。既存品と同様、鶏の胸部軟骨から抽出した非変性Ⅱ型コラーゲンを規格した新製品の「NEXT-Ⅱ」について同社では、既存品とともに、関節領域の機能性表示食品対応素材として積極的に提案していく方針だ。昨年中に届出実績も作った。

研究開発着手は10年近く前

 同社は、海外メーカーが開発した非変性Ⅱ型コラーゲンの原材料販売を2000年代後半に開始。RCT(ランダム化比較試験)の結果を根拠にした有効摂取量が、非変性Ⅱ型コラーゲンを含む鶏軟骨抽出物として1日当たり40ミリグラムと少量であることが注目され、採用実績を順調に伸ばしていった。その中で2010年代前半、海外での使用量が急増して需給バランスが崩れた。「一時的なものだったが、供給危機に陥った」と同社の塩島社長は当時を振り返る。

 同様の不測の事態はふたたび起こり得る──そう考えた同社は、非変性Ⅱ型コラーゲンを開発した研究者らの協力を仰ぐかたちで同類製品の開発に着手。そして完成させたのが新製品のNEXT-Ⅱで、既存品と同様の作用メカニズムや安全性を有するかどうかの検証を経て、米国で自己認証型GRAS(Generally Recognized As Safe=一般に安全と認められる食品)を確認。万が一の場合に備えた。

 その後、既存品と併売していくかたちで新製品を世に出すことを決め、日本国内でRCTを実施し、22年、海外学術誌『Journal of the American College of Nutrition』に論文発表。既存品と同様、機能性表示食品対応素材として販売できる道筋を整えた。

ヘルスクレームも〝次世代型〟に

 新製品の名称である「NEXT-Ⅱ」には、「次世代型非変性Ⅱ型コラーゲン」(同社の登録商標)の意味を込めた。新製品は、「既存品を進化させた」ものであるということ。その点は、新製品を配合した機能性表示食品のヘルスクレームにも表れている。

 同社では、従来品について、機能性表示食品制度の施行初年度から届出サポートを展開し、「非変性Ⅱ型コラーゲンにはひざ関節の柔軟性、可動性をサポートすることが報告されています」といったヘルスクレームを行えるようにしていた。

 一方、新製品のそれでは、関節ケア領域における訴求機能を大きく拡充。「非変性Ⅱ型コラーゲンは膝(ひざ)関節の柔軟性・可動性を助け、歩く、階段の昇り降り、しゃがむ、正座する、正座や椅子から立つといった日常生活における膝や腰の違和感の軽減、寝返り、腰を反らす、腰をひねる時の腰の違和感の軽減、スムーズな歩行や階段の昇り降りをサポートすることが報告されています」というヘルスクレームを可能にした。

 歩行機能や階段の昇り降りのほか、腰の違和感に対する働きを新たに訴求できるようにした格好だ。このヘルスクレームのバリエーションとして、「非変性Ⅱ型コラーゲンは膝(ひざ)関節の柔軟性・可動性を助け、歩く、階段の昇り降り、しゃがむ、正座する、正座や椅子から立つといった日常生活における膝の違和感の軽減、スムーズな歩行や階段の昇り降りをサポートすることが報告されています」という文言でも届出実績を作ってある。

 既存品との違いは他にもあり、非変性Ⅱ型コラーゲンの含有量を8%以上で規格(従来品は3%以上)。また、日本により近い台湾で製造する点も既存品と異なる。

 販売を本格的に始めるのはこれからだ。一定規模の国内在庫を確保したうえで、各方面からの引き合いに素早く応じられるようにする計画を立てている。

 同社の塩島社長は、NEXT-Ⅱの存在意義について、「非変性Ⅱ型コラーゲンの選択肢を広げることで、既存品の拡販とともに、非変性Ⅱ型コラーゲン市場の拡大につながれば」とコメント。「特に、関節領域(の機能性表示食品)に付加価値を求めている層には新たに提案していきたい」と話している。

【石川太郎】

(下の画像:龍泉堂が届け出たNEXT-Ⅱ配合機能性表示食品の表示見本。消費者庁の届出DBから)

<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都豊島区西池袋1-5-3
TEL:03-3985-8346
URL:http://www.ryusendo.co.jp
事業内容:サプリメント原材料の輸出入・卸・販売、サプリメントの製造・卸・販売

コラーゲン特集関連記事:1.新田ゼラチン、新製品を開発中 内臓脂肪低減機能の新機軸

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ