販売ターゲットは機能性表示食品 【コラーゲン特集】ジェリータ、「肌」に続くのは「骨」
ドイツを本拠地として世界21カ国・地域に製造拠点などを展開するゼラチン・コラーゲンペプチドメーカー大手のジェリータ(GELITA)。同社製のコラーゲンペプチドは以前から日本でも販売されていたが、2019年、初の日本法人ジェリータジャパン㈱(東京都中央区)を設立。特定のヘルスベネフィットに狙いを定めて開発した「バイオアクティブコラーゲンペプチド」シリーズの販売を20年に始めた。その後の動きはどうか。
訴求機能別に開発した独自製品「BCP」
ジェリータのバイオアクティブコラーゲンペプチド(以下、BCP)は訴求機能別に全5製品(ペット向け含め6製品)が現在までに開発され、日本法人を通じて国内で販売されている。
現在、そのうち1製品が機能性表示食品対応素材になっている。肌・髪・ツメに対するヘルスベネフィットを狙って開発した「VERISOL(ベリゾール)」がそれで、同製品の有効性を検証した臨床試験論文を採択した研究レビューに基づき、次のヘルスクレームを行えるようにした。
「コラーゲンペプチドには、肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助ける機能があることが報告されています」。
ジェリータジャパンでは、BCPの需要を、機能性表示食品にほぼ特化するかたちで掘り起こそうとしている。そのため、販売だけでなく研究レビューの提供など届出サポートにも対応。数こそまだ少ないが、ベリゾールを配合した機能性表示食品は、販売大手から中小規模まで複数の製品に配合されて届け出されている。
ベリゾール以外のBCPについても順次、機能性表示食品対応素材に発展させ、新たな需要を創出していきたい考え。同社によれば、BCPの有効性を報告する臨床試験論文は現在までに約30報を数える。そのように論文が多い理由について同社の田辺康治ゼネラルマネージャーは、「まだ実現していないが、欧州でヘルスクレームが認められるようチャレンジしているため」と解説する。「被験者は健常人である論文が主となっている。そのため、機能性表示食品制度を追い風にしてBCPを日本市場に普及させようと考えた」。
コラーゲンペプチドで初のヘルスクレーム目指す
BCPのうち、ベリゾールに続く機能性表示食品対応素材は「FORTIBONE(フォーティボーン)」になりそうだ。その名のとおり、骨(bone)の健康増進を念頭に開発されたもので、骨密度を上昇させたり、骨代謝を高めたりする働きのあることが、これまでに行われた4つの臨床試験結果から示唆されているという。
現在、同社で届出手続きを進めており、届出が公表されれば、コラーゲンペプチドとして初の骨に関するヘルスクレームとなる。「日本市場はコラーゲン=美容に限らないイメージに変えていく必要があると思っている。機能性表示食品市場に展開していくことを通じてそこを打開したい。その意味で、骨に対する機能性を訴求できるようになることを強く期待している」(同)。
ひざ関節に対するヘルスベネフィットを念頭に開発した「FORTIGEL(フォーティジェル)」も今後、研究レビューを実施して機能性表示食品制度に対応できるようにしたい考え。また、届出実績がすでにあるベリゾールでは、魚由来の製品に関しても肌の健康に対するヘルスクレームを行えるようにすることも計画している。
BCPの製品ラインアップの中には、「体組成の維持」をターゲットにした「BODYBALANCE(ボディバランス)」もある。除脂肪体重の増加や体脂肪量の減少などといった機能性を持つことが示唆されている素材で、同製品についても「将来的に、機能性表示食品に対応できるようにすることを検討したい」(同)。
【石川太郎】
<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都中央区銀座1-16-7銀座大栄ビル5階
URL:https://www.gelita.com/ja
事業内容:ゼラチン・コラーゲンペプチドの輸入販売
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