栄養補助食品、今年上半期の輸出額は? 中国、前年同期比28%減と落ち込む
農林水産省のまとめによると、今年上半期(24年1~6月)の農林水産物・食品の輸出額は前年同期と比べて132億円、率にして1.8%の減少となり、7,013億円にとどまった。中国による日本産水産物の輸入停止措置などが影響したとみられる。サプリメントや健康食品の輸出額はどうだったのだろうか。
財務省の貿易統計。2021年1月から、サプリメントや健康食品の輸出入に関する統計が「栄養補助食品」の品名で取られるようになっている。品名は、正確には「ビタミン、ミネラル、アミノ酸又は不飽和脂肪酸をもととした栄養補助食品(小売用の容器入りにしたものに限る)」で、統計番号(HSコード)は「2016.90-300」
貿易統計によると、栄養補助食品の今年上半期の輸出額は合計119億7,000万円だった。前年の上半期は148億円であったため、約28億円(約19%)のマイナス。輸出額最多で、前年同期は82億6,000万円だった中国が59億6,000万円にとどまり、率にして約28%減少した。
台湾と香港も減少。台湾は、前年同期21億1,000万円から16億9,000万円に、香港は同18億4,000万円から12億2,000万円にそれぞれ減少した。
2年前、22年通年(1~12月)の栄養補助食品の輸出額は合計331億3,000万円と300億円を大きく上回っていた。しかし昨年は、281億7,000万円と約15%減少。昨年8月以降、日本産水産物の輸入を停止した中国が、22年の167億5,000万円から146億円まで落とすことになった。
一方、ASEAN(東南アジア諸国連合)に向けた今年上半期の栄養補助食品の輸出額を見ると、ベトナムは12億3,000万円と前年同期10億5,000万円から増加した。インドネシアは前年同期3,800万円から4億1,000万円と大幅に増えた。マレーシアも、8,000万円から1億3,000万円と伸長した。一方で、タイとシンガポールは減少した。
【石川太郎】
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