（公財）食の安全・安心財団理事長 東京大学名誉教授 唐木英明

●東京都福祉保健局長が、重症化リスクの高い高齢感染者は少なくなり病床の確保も進んでいるとして、報道各社に「いたずらに不安をあおることはしていただきたくない」と述べた。
●NHKニュースウォッチ9はこれを「楽観的」と批判し、30分枠の20分を使って医療崩壊の不安をあおる報道を行った。
●NHKだけでなく、国・専門家・メディアは不安をあおって協力させる作戦をとり、尾身茂氏は五輪の有観客開催がこれと「矛盾したメッセージ」になるとして反対した。
●不安作戦は国民に不安と恐怖を与え、希望と安心を否定する。一部の国民は感染の恐怖におののいて自粛しているが、感染者が増えても死者が増えていないことから、多くの国民は自粛の意欲が薄れている。国民は分断されてしまった。
●大事なことは、医療崩壊は起こらないという事実。もし起こしたら、首相も大臣も知事も職を失うから必死で食い止めている！
●効果が小さく、費用が大きい営業自粛しかない感染防止から、大きな効果があるワクチンと抗体カクテルによる重症化防止に対策の重点を移すすべき。ワクチンが広がれば感染は防止できる。
●メディアはすべての情報を隠さずに報道して、不安や恐怖という感情的判断ではなく、科学に基づく理性的な判断を助けるべき！

＜著者プロフィール＞
1964年東京大学農学部獣医学科卒。農学博士、獣医師。東京大学農学部助手、同助教授、テキサス大学ダラス医学研究所研究員などを経て東京大学農学部教授、東京大学アイソトープ総合センターセンター長などを歴任。2008〜11年日本学術会議副会長。11〜13年倉敷芸術科学大学学長。専門は薬理学、毒性学、食品安全、リスクコミュニケーション。

※「コロナの真相」は、唐木英明氏のフェイスブックからの転載です。