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松井弁理士、「用途特許」通すテクニックを解説

 (株)ウェルネスニュースグループは13日、食品の用途特許に関するセミナーを都内で開催した。「食品に関する用途発明の勘所」をテーマに、食品特許に詳しい松井特許事務所(東京都新宿区)の松井茂弁理士が講師を務めた。医薬品・食品事業者20社が参加した。

 松井氏は、2016年4月に改定された食品の用途発明に関する審査基準について、改定前と改定後を比較しながらその違いについて説明した。改定前は、食品の用途発明は特許の構成要件として認められなかったが、医薬組成物としては認められたため、食品という言葉を使わずに「剤」として登録していたとし、「改定後は用途を主張する食品組成物としての出願が可能となった」と述べた。

 用途特許の成立要件として第1に、未知の属性と用途が結び付いたときに初めて用途特許が成立すると説明。例えば、「(風味を向上させる)ライ麦粉を含むミックス粉」という公知の発明に対し、「麺の付着防止」という新たな属性の下で、「血糖上昇抑制」という予期できなかった作用効果が結び付くことにより新規性・進歩性が認められ、「ライ麦粉を有効成分として含む血糖上昇抑制用ミックス粉」という用途特許が成立すると話した。

 松井氏は、特許の申請に対するさまざまな拒絶理由への対応についても、自らの経験に基づきながら解決策を紹介。類似する従来技術が存在する場合の対応策として、「有効成分をさらに特定することで従来技術と区別」する方法について事例を交えて説明した。例えば、公知の茶素材であれば進歩性はないとされるが、「新たな配合比で効果を主張するやり方もある」と指摘。ほかにも、「公知の用途を除くことで新規・進歩性を主張する方法もある」とし、今後はこのような「除くクレーム」が増えることが考えられると予想した。

 松井氏は、特許を通すテクニックについても解説した。「効果の根拠を立証する論文を添付する方が、拒絶理由が来た場合に役に立つ」とし、「できれば実験を行う前に、用途特許を取得するためにどのような実験が有効かを弁理士と相談し、権利化を目指すことがベスト」と事前相談の必要性を強調した。

(写真:熱心にメモを取る参加者)

【田代 宏】

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