UC-Ⅱ、「運動習慣」ある人にも ロンザ、最新論文を踏まえた新ヘルスクレーム
機能性表示食品として届け出されている関節領域における機能性関与成分、鶏軟骨由来の非変性Ⅱ型コラーゲンについて、新たなヘルスクレームが可能になった。
新しいヘルスクレームの概要は、「運動習慣のある方の日常生活における歩行をサポートし、膝の違和感を軽減することが報告されている」というもの。6月7日付の機能性表示食品届出データベース情報更新で公開された。
非変性Ⅱ型コラーゲンを含む鶏軟骨抽出物(原材料)のブランド、「UC-Ⅱ」を製造販売するロンザ社(スイス・バーゼル)の日本法人、ロンザ㈱(神奈川県相模原市)が届け出た。届出の公開を受けて、同社はUC-Ⅱの採用提案を強化。一般消費者・生活者向けスポーツニュートリションとしての機能性表示食品などを開発するのに適した素材として提案している。
ヘルスクレームの全文は、「非変性Ⅱ型コラーゲン(酵素分解水溶化コラーゲンペプチドとして)は膝の柔軟性・可動性をサポートすることが報告されています。また中高年の方の階段の昇り降り、しゃがむ、床に落ちているものを拾うことをサポートすることが報告されています。また運動習慣のある方の日常生活における歩行をサポートし、膝の違和感を軽減することが報告されています」といった「膝」をめぐる3機能。
ロンザが鶏軟骨由来の非変性Ⅱ型コラーゲン(以下、UC-Ⅱ)を届け出るのは今回が3度目(旧カプスゲル・ジャパンとしての届出1件含む)で、以前届け出ていたヘルスクレームに対し、「運動習慣のある方の日常生活における歩行をサポートし、膝の違和感を軽減」する機能がUC-Ⅱに報告されている旨を追加した。鶏軟骨由来の非変性Ⅱ型コラーゲンの届出は同社以外にも行っているが、「運動習慣のある方の日常生活における歩行をサポート」は新規の機能となる。
分析方法はELISA、経口免疫寛容誘導の作用機序
ヘルスクレームの科学的根拠として届け出たシステマティックレビューで採択した文献3報の中には、UC-Ⅱの有効性を報告する現時点で最新の論文(2022年発表)が含まれる。この論文の臨床試験は、週2回、1日20~30分の運動習慣のある20~55歳の健康な成人男女96人を被験者にしたもの。UC-Ⅱ摂取群はプラセボ群と比べて膝の違和感などが有意に改善したことを報告している。このため、ヘルスクレームに新規機能を盛り込むことが可能になった。またこの論文では、ヘルスクレームには反映されていないものの、膝をひねったり、まわしたりするときの違和感の有意な軽減が確認されたとも報告している。
Ⅱ型コラーゲンは、特に関節軟骨に多く分布するタンパク質の一種。ロンザのUC-Ⅱは、アミノ酸やペプチドなどに変性されていないⅡ型コラーゲン(非変性Ⅱ型コラーゲン)を機能性関与成分として含む。分析方法については、抗原抗体反応の原理を応用し、試料中のタンパク質やサイトカインなどの濃度を検出、定量する「ELISA」(Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay)を採用。この測定法についてロンザでは、「非変性Ⅱ型コラーゲンを分析するのに最も適した方法だ」としている。
同社によると、UC-Ⅱには、経口免疫寛容を誘導する働きがある。これにより、「関節不調の原因に対して自己免疫力を活性化させ、関節の炎症を抑えたり、軟骨合成を促進させたりといった作用が期待できる」という。今後、独特な作用メカニズムも訴求しながらUC-Ⅱの需要を伸ばしていきたい考えだ。
【石川太郎】
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