LINEを使った「次々販売」に注意喚起 「SNSを通じた購入は慎重に」(消費者庁)
消費者庁は28日、「一度に体質を改善し、追加費用は不要」などとダイエット希望者を勧誘し、痩身効果をうたうお茶などを「次々販売」する事業者に関して、消費者安全法(38条第1項)に基づいて注意喚起を行ったと発表した。
消費者庁の調査によると、同行為を行っていた事業者は、「ビューティーカイロ〇〇」、「食育健康アドバイザー」、「オンラインダイエット指導―廣瀬〇〇」、「体質改善ダイエットー上嶋〇〇」、「吉沢〇〇」、「佐藤〇〇」(〇〇部分には名前や名称が入る)といったLINEアカウントを使用していた。
消費者がSNSの広告などを経由してLINEの「友だち追加」を行うと、同アカウントからダイエットのカウンセリングと称したメッセージが届き、「永遠にリバウンドしません」、「あなたの都合で8~15キロ痩せることができます」などと説明し、痩身効果をうたうお茶や錠剤、コーヒーなどを勧誘。購入すると数日後に、「体質改善には追加料金は一切ありません。しかし、脂肪を溶かすことと体質を改善することは別で、別料金が必要」などとして追加購入を勧誘。追加購入した消費者に対しては、さらに高額な脂肪排出をうたう製品を追加購入するよう勧誘していた。また、返品・返金を求めた消費者に対して、本製品は消費者の「都合で調合している」、「他の人は服用できない」などとして、返品・返金に応じないケースもあったという。
各地の消費生活センターなどに多くの相談が寄せられ、その相談件数は2021年9月以降で205件、うち167件は代金を支払っており、総額で5,460万円に上る。内訳は、40~50代の女性が最も多く50%以上を占め、次いで30代女性、60代女性となっているという。
消費者庁によると、勧誘していた事業者の実体は不明で、同6アカウント以外にも複数のLINEアカウントを使用していた可能性もある。その上で、「SNSのメリットとデメリットを認識し、正しく使用すること」、「食品を購入する際、SNSなどを通じてのやり取りなどで不審な点があると感じた場合は、購入することに慎重になること」と注意を呼びかけている。
【藤田 勇一】
(冒頭の写真:販売されていた製品の一部)