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JR九州グループで誤表示相次ぐ 外国産「赤えび」「サーモン」を国産と表示

 各地のレストランや大手スーパーで原産地の誤表示が相次ぐ中、九州エリアを中心にまたしてもメニューの誤表示が明らかになった。飲食店事業を展開するJR九州フードサービス㈱(福岡市博多区、福澤広行社長)は21日、自社ホームページに「お詫びとお知らせ」を掲載し謝罪した。

 同社によれば、誤表示が発覚したのは同社が事業運営する福岡県・熊本県・鹿児島県・長崎県・大分県・宮崎県・東京都の全14店舗(福岡6店、東京3店)。

 例えば、うまや福岡新宮店のメニューには、「アルゼンチン産の赤えび」を「鹿児島県産の赤えび」、「ノルウェー産のサーモン」を「九州産のサーモン」、「長崎県産と地中海産のマグロ」を併用していたにもかかわらず「長崎県産のマグロ」などと誤って表示し、2022年9月2日~23年2月14日まで販売していた。
 他店舗でも、「糸島豚」を「博多もち豚」、「桜島どり」を「豊後どり」または「熊本産ハーブどり」などと表示していた。

 同社は、馬刺しメニューの誤表示で先ごろ問題となった流通外食業の㈱ヌルボン(福岡市博多区、仲義雄社長)同じ、九州旅客鉄道㈱(JR九州)の100%出資子会社。駅構内施設を借りて飲食業を営んでいる。ヌルボンに端を発した一連の誤表示を調査する中で、今回の誤表示が判明したと説明している。

 ヌルボンの場合と同様、「使用食材の変更時に、メニュー表示の確認が不十分であったことによる修正漏れ」、「商品導入時の企画、仕入、メニュー作成の各担当者間での情報共有不足」、「景品表示法等の理解・知識不足」を誤表示の原因に挙げている。

 誤表示が相次ぐ中、農林水産省のOBは、「今回の外食チェーンや先の大手スーパーの誤表示は、いずれも意図的な行為というより仕入れ部門と販売部門との連携不足など、現場の杜撰な対応が招いた結果だ。現場を管理する本部やエリアの品質管理部門も、コロナ下での対策に追われ本来のチェック機能が疎かになっていたのではないか。再発防止に向けて改めて体制を見直す必要がある」とコメントしている。

 JR九州の有価証券報告書(22年6月23日公表資料)で営業収益を見る限り、コロナ禍中の21年・22年3月期こそ3,000億円前後と落ち込みを見せているが、それ以前は4,000億円超で推移している。回復の兆しが見え始めた22年3月期における流通・外食事業の営業収益は全体の13%を占めている。役員の兼任もある中、親会社の責任は免れないだろう。しかし23日現在、JR九州のホームページ上に謝罪のコメントは一言も見当たらない。

【田代 宏】

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    :外国産「馬刺し」の誤表示を検証する

(冒頭の写真:うまや「JR博多シティ店」が営業するJR博多駅)

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