HMBの機能性表示食品、届出撤回の真相(前)
<公表届出件数20件、そのうち撤回は4件>
HMB(3-ヒドロキシ-3-メチルブチレート)を配合した機能性表示食品の届出撤回が相次いでいる。12月7日現在で4件。今後も撤回が続くと予想される。その背景には、何があるのだろうか。真相を追った。
HMBを配合した機能性表示食品の届出は合計20件を数える。HMBは、アミノ酸の1種であるロイシンの代謝物質。機能性表示食品の届出表示は、主に次の2パターンがある。
「HMBには、筋肉量や筋力の低下を抑制する働きがあり、自立した日常生活を送る上で必要な筋肉量や筋力の維持に役立つ機能があることが報告されています」。
「HMBには、自立した日常生活を送る上で必要な筋肉量および筋力の維持・低下抑制に役立つ機能、歩行能力の改善に役立つ機能が報告されています」。
これまでに届出を撤回したのは、(株)シーナコーポレーションの『アルケルトEX』、ワダカルシウム製薬(株)の『アルークHMB』、(株)つうはん本舗の『HMB for シニア』、(株)佐藤園の『HMBチャージ』。4件ともサプリメント形状の食品。
各社の撤回の理由はどうか。(株)シーナコーポレーションは「商品化取り止めのため」と説明。(株)つうはん本舗は「商品リニューアルのため」、(株)佐藤園も「リニューアル検討のため」。ワダカルシウム製薬(株)は「届出表示文言変更のため」としている。
<撤回した各社の反応>
消費者庁のホームページで公表される届出撤回の事由は、必ずしも本当の理由が記載されているわけではない。撤回した各社に取材を試みたが、「届出資料の記載のとおり」、「撤回は自主的なもの」などの声が戻ってきた。
(つづく)